研究課題
タウ蛋白のPuromycine-sensitive aminopeptidase (PSA)による切断、それに続くユビキチン化、におけるリン酸化の影響を検討した。4リピートの野生型タウ蛋白をプロテインキナーゼA (PKA)、グリコーゲン新ターゼキナーゼ-3 (GSK-3)によってリン酸化し、このリン酸化タウと非リン酸化タウとを同時にPSAによって切断したところ、それぞれN末端は分解されたが、その程度に差異は認められなかった。さらにそれをE1、E2 (UbcH5)、E3 (IAPs)、ユビキチン、ATPとともにインキュベートし。ユビキチン化の程度を検討したところ、これも有意な差は認められなかった。分解過程に関しては、今後検討を行う。また、タウ蛋白のCMA (Chaperone-mediated autophagy)についても検討をおこなった。タウ蛋白の336-340 QVEVQ配列および347-351 KDRVQ配列がタウのCMA分解に必須と考えられているので、まずこの部位を欠損した変異タウ蛋白(Δ336-351)を作成した。野生型および変異タウ蛋白(Δ336-351)のライソゾームへの取り込みを今後検討する。さらに、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤による不溶性タウ蛋白の減少効果のメカニズムに関しても検討を行った。今までの報告ではシャペロン量の変化がCMAの速度を規定しているという報告が多かったので、培養細胞に薬剤を添加し、数多くのHSPsの発現量をブロット解析したところ、いくつかのHSPsの発現量の増加が認められた。今後これを正確に評価し、そのHSPの凝集阻害過程に関して検討を行う。
3: やや遅れている
TDP-43に関する検討は、リコンビナント蛋白を抽出する過程で凝集性が強く、抽出に難渋したため遅れが生じた。凝集を回避する方法を検討し、改善できそうであるので、次年度に検討を行う。
タウ蛋白のN末端切断過程と、ユビキチン化過程にはリン酸化の影響が認められなかったが、次年度は分解過程に関しても検討を行う。タウ蛋白のCMA に関しては、今後野生型および変異タウ蛋白(Δ336-351)のライソゾームへの取り込みを検討する。変異タウ蛋白(Δ226-351)および野生型タウ蛋白を培養細胞に強制発現させ、その分解過程をパルスチェイス法により検討し、CMAによるタウの分解プロセスの有無を検討する。TDP-43に関する検討は、デタ―ジェントの使用を検討しリコンビナント蛋白を抽出できそうであるので、次年度にリン酸化による分解に関する検討を行う。
TDP-43の解析にに関しては、リコンビナント蛋白を抽出する過程で凝集性が強く、抽出に難渋したため遅れが生じたため次年度に回すことにした。
TDP-43に関する検討は、デタ―ジェントの使用を検討しリコンビナント蛋白を抽出できそうであるので、次年度にリン酸化による分解に関する検討を行うことにした。
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