研究課題
タウ蛋白とTDP-43の分解過程における基質リン酸化の影響を検討した。タウ蛋白をin vitroにおいてPSA(Puromycine-sensitive aminopeptidase)により分解する過程、およびその後のユビキチン化過程において、プロテインキナーゼA(PKA)およびグリコーゲンシンターゼキナーゼ-3(GSK-3)によるリン酸化の影響は認められなかった。また、タウ蛋白がシャペロン誘導性にオートファジーによって分解される過程(CMA: Chaperone- mediated autophagy)に関しては、CMAに必須なアミノ酸配列部位を欠損させた変異タウ蛋白(Δ326-351)を作成し、ライソゾームへの取り込みを測定した。そして、ライソゾームによる野生型タウ蛋白と変異タウ蛋白の取り込みの差分が正しい取り込み量であると考え、それぞれのタウ蛋白をPKAおよびGSK-3によってリン酸化した後に取り込ませると、PKAによりリン酸化されたタウ蛋白の取り込み量は増加した。また、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤によって実験的には細胞内凝集性タウ蛋白が減少する現象を理解するために、同剤を添加した細胞においてシャペロン発現量の変化を測定し、HSP10発現が増加する可能性が示唆された。そこで、タウ蛋白をライソゾームへ取り込みさせる過程でHSP10を過剰に添加したところ、タウ蛋白の取り込みは増加した。TDP-43をin vitroにおいてCaspaseにより分解するといくつかのフラグメントが出現するが、カゼインキナーゼ-1(CK-1)によりリン酸化したTDP-43をCaspaseによって切断して変化を見たところ、リン酸化の影響は認められなかった。また、部分分解されたTDP-43のその後のユビキチン化過程を検討したが、リン酸化による影響は確認できなかった。
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