研究課題/領域番号 |
15K09829
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 泰司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (00324921)
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研究分担者 |
阪井 一雄 宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (80304096)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 非健忘型 / アルツハイマー / アミロイドイメージング / PET / 神経心理検査 |
研究実績の概要 |
昨年度は本研究(3年間)の初年度であったため、当初の予定であったとおり自施設において倫理審査委員会(IRB)に研究申請をおこなった。しかし、実際の申請準備開始が昨秋で昨年12月に申請書を提出した。審査案件が多かったため本審査までの期間が延びて、本年4月初旬に本審査が行われた。(審査結果は一部修正のうえで受理) したがって、当初の本研究計画の予定より約半年遅れとなって症例をエントリーできず、昨年度の実績となる具体的なデータはない。 2年目となる本年度から被験者エントリー開始をして本研究は実質的に動き始める。そこで、以下に今後の研究予定を述べる。すでに昨年度のうちに研究代表者の所属する施設の認知症専門外来(新患は年間350-400例)において、本研究の対象となりうる非健忘型アルツハイマー病(我々の経験では、およそ全体の5-10%)の臨床症状を呈する症例は約10例(分担研究者および研究協力者の担当患者を含む)が受診継続中であるため、まずこれらの被験者候補に対して、研究内容の説明および同意取得を取ったうえで、神経心理学的検査をはじめとする各症例特有の臨床的特徴(自施設で施行)を把握し、MRI検査およびPETによるアミロイドイメージング(研究協力施設である先端医療センターにおいて施行)を主体とする脳画像データとの照合を行う。非健忘型アルツハイマー病の臨床症状を呈する症例を5つのサブタイプに分けて、それぞれの症例ごとに脳内アミロイドの沈着の有無とその程度、さらには沈着部位を解析して、神経心理学的検査を用いた臨床症状との比較検討を行う。なお、当初からこの規模の研究費で施行できる症例数は12例程度(アミロイドPET検査費用は、1例あたり25万円)と見積もっており、当初は4症例を初年度の目標としていたが、本年度から2年間で当初の研究費用全額が必要となる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記に述べたとおり、当初の予定では自施設において研究期間(3年間)の初年度後半から被験者エントリーを開始し実質的な研究開始を予定していたが、自施設での倫理審査委員会(IRB)の研究申請準備が遅れて昨秋の開始となり、昨冬に申請書を提出したものの、IRBの案件が多かったため、審査までの期間が延びて、年度を超えた本年4月初旬にようやく本審査となった。(審査結果は一部修正のうえで受理) したがって、当初の研究計画の予定より約半年遅れとなって昨年度の実績となる具体的データはまだ得られていない。しかし、今後症例エントリーを開始して研究期間2年目のうちに、最終目標である12例のうち、半数程度をエントリーする予定である。なお、候補となる症例はすでに約10例が当院認知症専門外来で通院継続中であるため、この目標症例数は現実的に達成可能である。
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今後の研究の推進方策 |
上記のとおり、研究開始が半年余り遅れているものの、上述のとおり当初計画の症例数は3年間で計12例程度と多くない。したがって、残りの2年間で症例エントリーが順調に進めば当初の計画どおりの目標は達成できるものと考える。ただし、研究対象の候補となる臨床像を呈する症例自体は多くはないため、継続的に自施設の専門外来において、さらなる次の候補となる症例を継続的に蓄積する必要がある。 なお、新たに本年度より、自施設所属の医師1名を分担研究者に、さらに研究協力者にも外国人医師1名(留学生)を追加する方向で検討しており、それにより更に研究がスピードアップできることが期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
前ページの実績報告に述べたとおり、初年度の後半から開始予定であった被験者エントリーが、IRB倫理審査および承認の遅れで今春まで延びたため研究実施ができなかった点は反省すべきことである。しかし、現在すでにIRBでの審査は修正のうえ承認となっており、今後はすでに自施設の専門外来に存在する本研究の被験者候補5-10例に対して、研究説明および研究同意を得たうえで、研究協力施設である先端医療センターとともに順次研究実施を行う予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度においては、少なくとも目標症例数12例の半数以上に研究を実施することが可能と予測しており、そうなると前年度および本年度分の研究予算の大部分が必要となるため、本研究を引き続き着実に進めていく予定である。
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