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2017 年度 実施状況報告書

非健忘型アルツハイマー病患者のアミロイドPETを用いた脳アミロイド沈着の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K09829
研究機関神戸大学

研究代表者

山本 泰司  神戸大学, 保健管理センター, 准教授 (00324921)

研究分担者 阪井 一雄  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (80304096)
松山 賢一  神戸大学, 医学研究科, 助教 (70789015) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード非健忘型 / 認知症 / 言語障害型 / 視空間障害型 / 実行機能障害型 / PET / アミロイド / アルツハイマー
研究実績の概要

本年度は、本研究期間(3年)の最終年度であった。この1年間で非健忘型ADと臨床診断した患者の中から、新たに3名(実行機能障害型2名、言語障害型1名)に対して研究内容を説明したうえで書面にて同意取得を行い、協力研究機関である先端医療研究センターにおいてアミロイドPET検査を施行した。その結果、3名のいずれもアミロイド陰性の判定結果であった。
昨年度の被験者10名(言語障害型7名、視空間障害型3名、実行機能障害型3名)と合わせると、合計13名のうち、アミロイド陽性が7名(54%)、アミロイド陰性が6名(46%)であった。この結果は、MCIおよび軽度ADを対象とした過去の大規模研究(J-ADNI, US-ADNI)でのアミロイド陽性の割合が、MCI群で67-75%、AD群で88-92%であったことと比較して、本研究における「アミロイド陰性例」の割合が高いことが判明した。(46%>8-33%)
また、上記13例のうち多数は現在も当院(神戸大学附属病院)認知症専門外来にて通院治療中であるため、特にアミロイド陰性の6症例を中心に、一般診療において今後も認知機能の推移などをはじめとする臨床経過を追跡する予定である。
最後に、本研究の成果を次年度(2018年)に国内および国際学会等で発表予定のため、研究期間延長をすでに申請済みであり、来年度は本研究予算の範囲内で、言語障害型以外の症例を中心に計3症例まで新たな被験者追加を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のとおり、現在までに計13症例、3タイプの非健忘型認知症の症例をバランスよくエントリーできつつあり、目標症例数(16例)の80%を超えた。また、本研究テーマに類似する研究成果は海外でいくつか発表されているのみで、国内においては未だ論文化されていないことからも、重要な研究内容であると考える。
研究期間を延長した来年度は、残る3症例のエントリーを目標としつつ、本研究の成果をまず6月の国内学会および来年度中の国際学会(米国)等において発表準備を進めている。

今後の研究の推進方策

近日に新たな研究候補者(14例目)がエントリー予定であるため、引き続き目標症例数(16例)までこの流れで進めていく。最終的には全16症例がエントリー完了後に、データをまとめて解析したうえで複数の学会等で発表し、さらに論文化して広く公開する予定である。
本研究の対象となる被験者の場合、通常診療におけるMRI, SPECT、Dat-Scan, 心筋シンチグラフィーおよび神経心理検査等の組み合わせでは臨床診断について十分に確定できず、アルツハイマー病をはじめとする複数の認知症との混合型の鑑別には、保険適応のないタウPETやアミロイドPETを用いる必要性がある。そのため、可能であれば新たな研究資金を獲得したうえで、さらに症例数(臨床型のサブタイプ)を増やして解析を行う検討も必要と考えている。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では、本年度が最終年度であったが、目標症例数まであと3症例が残ったため、それに伴うアミロイドPET検査の研究費(60万円)および学会での研究成果の発表が来年度に延期することとなった。そのため、本年度末に研究期間の延長申請(1年)を行って承認されたものである。
すでに新たな研究被験者(14例目)も研究同意取得済みで、近日に協力医療機関である先端医療研究センターにおいてアミロイドPET検査の実施を予定している状況であり、本研究は順調に進んでいる。
また、2018年6月の日本老年精神医学会において、本研究の成果を学会発表(2題)する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Pathophysiological significance and clinical impact of amyloid PET in patients suspected of atypical Alzheimer’s disease2018

    • 著者名/発表者名
      Yasuji Yamamoto, Akihito Ohnishi, Go Akamatsu, Kazuo Sakai, Kenichi Matsuyama, Yasuhiko Ikari, Kazuki Aita, Hiroyuki Nishida, Masahiro Sasaki, Michio Senda
    • 学会等名
      第33回日本老年精神医学会(シンポジウム)
  • [学会発表] 非健忘型アルツハイマー病が疑われる症例に対するアミロイドPETの診断的有用性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      松山賢一、山本泰司、阪井一雄
    • 学会等名
      第33回日本老年精神医学会

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公開日: 2018-12-17  

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