研究課題/領域番号 |
15K09830
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
橋岡 禎征 島根大学, 医学部, 講師 (00622523)
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研究分担者 |
津森 登志子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30217377)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 電気けいれん療法 / グリア |
研究実績の概要 |
電気けいれん療法は、薬物抵抗性・難治性のうつ病、統合失調症に有効な身体療法である。しかし、その効果発現メカニズムについては、未だ仮説程度の解明状況である。そこで我々は、活性化グリアの観点から、電気けいれん療法の効果発現メカニズムを実験的に解明する一環として、Gunnラットに電気けいれん(ES; electroconvulsive shock)を施行し、統合失調症様およびうつ病様の異常行動の変化と、活性化グリアの形態的および機能的変化の相関を詳細に検討した。Gunnラットにおける統合失調症様の異常行動については、プレパルス抑制試験を用い、ES施行群と未施行(Sham)群を比較した。その結果、GunnラットSham群では、プレパルス抑制が阻害され、統合失調症と同じパターンを示したが、GunnラットES群では、阻害されたプレパルス抑制が有意に抑制された。更に、Gunnラットの脳における、ミクログリオーシス、つまり活性化ミクログリアをIBA-1を用いて、免疫組織化学的に定量分析したところ、海馬領域にてGunnラットSham群は、健常コントロールであるWistarラットに比べ、有意にIBA-1発現が亢進しており、ミクログリアの活性化が示唆された。Gunnラット海馬におけるIBA-1発現亢進はESによって、有意に抑制され、ESによる活性化ミクログリアの抑制効果が示唆された。 以上の結果から、電気けいれんの治療効果は、活性化ミクログリアを抑制することによって発現している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H27年度は主に行動系の解析を行い、上記のように順調に進展させることができた。行動評価後ラット脳を用いた、免疫組織化学的手法による海馬グリオーシスの評価、特にGFAPを用いたアストログリオーシスの定量的評価は現在進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
ラット脳における免疫組織化学的手法による海馬グリオーシスの評価を行い、行動解析結果との相関性を解析し、電気けいれん療法の効果発現メカニズムを明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
H25年度は国際学会への参加がなく、また試薬に関しても、品質を保っている既存のものを一部使用することができたため繰越金が生じたが、おおむね計画通りの使用状況と思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度以降も繰越金を合わせ、動物代、試薬品代等に使用する予定である。
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