研究課題
昨年度はGunnラットに電気けいれん(ES; electroconvulsive shock)を施行し、統合失調症様およびうつ病様の異常行動の変化と、活性化グリアの形態的および機能的変化の相関を詳細に検討したが、本年度はGunnラットにおけるうつ病様の異常行動について、強制水泳試験と尾懸垂試験を用い、健常ラットであるWistarラットと比較し、詳細に検討した。その結果、両試験において、Gunnラットの無動時間はWistarラットに比べ有意に長かった。更に、Gunnラットの脳における、ミクログリオーシスおよびアストログリオーシス、つまり活性化ミクログリアおよび活性化アストロサイトを、それぞれIba1、S100bを用いて、免疫組織化学的に定量分析したところ、海馬領域にてGunnラットSham群は、健常コントロールであるWistarラットに比べ、有意にIba1、ならびにS100bの発現が亢進しており、ミクログリアならびにアストロサイトの活性化が示唆された。以上の結果から、Gunnラットにおけるうつ病様の異常行動は、活性化ミクログリア、および活性化アストロサイトと関連している可能性が示唆された。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Neuropsychiatry
巻: 7 ページ: 156-163
10.4172/Neuropsychiatry.1000192