嗜銀顆粒病の臨床症状として,記銘力低下以外に,早期の段階で精神病症状や気分障害の症状を呈する場合も少なくないことを明らかにした.また,病理学的には軽度のPSP病理が合併しやすいことを報告した. 認知症全般に関する臨床的な研究として,認知症患者の陽性感情と陰性感情に焦点を当てて,疾患による違いを明らかにした.また,アルツハイマー型認知症において,陽性感情と左前頭葉穹窿面の血流量に有意な相関が認められることを報告した.さらに,アルツハイマー型認知症では早期の段階から,一次の誤信念課題でも有意な低下が認められ,「こころの理論」が強く障害されていることを示した.
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