研究課題
限局性くも膜下出血および脳表ヘモジデローシスを来した患者の後ろ向き解析を進めるとともに,MRIで検出された新たな症例を収集した.当該年度においては,新たに6例があり,うち3例でAβによるアミロイドアンギオパチーが疑われた.また1例は遺伝型アミロイドーシスであり,残り2例は血管炎に伴うものと考えられた.一方他施設における脳表ヘモジデローシス症例については,症例数があまり増加せず,引き続き症例の蓄積を依頼し,継続する方針とした.一方新たな研究として,一過性脳局所徴候(TFNE)の臨床的意義を検証するため,TFNEを来した過去の症例を,Aβ型のアミロイドアンギオパチー症例と,遺伝性ATTR型アミロイドーシスの患者に分類して特徴を検討した.遺伝性ATTR型アミロイドーシスにおいては,幻覚を中心とする視覚症状を有する症例が多く,一方Aβ型においては,高血圧などの血管リスク因子を有する症例が多く見られた.TFNEの症候自体には,特徴的な差違は認められなかった.これらの結果を,国際アミロイドーシスシンポジウムにおいて発表した.このほか,本研究課題に関連して脳血管性認知症の治療薬に関するreview論文の執筆に加わった.この中で,カナダを初めとする欧米の研究者とともに,脳血管性認知症に関する論文のreviewを行い,論文の加筆修正を行った上で,最終的に共著者として英語論文をJournal of American Heart Association誌(Open Access)に発表した.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
J Am Heart Assoc
巻: 6 ページ: e005568
10.1161/JAHA.117.005568