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2016 年度 実施状況報告書

精神症状(BPSD)を主体とする新規PS1変異アルツハイマー病モデルマウスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K09840
研究機関札幌医科大学

研究代表者

川又 純  札幌医科大学, 医学部, 講師 (60360814)

研究分担者 下濱 俊  札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードBPSD / アルツハイマー病
研究実績の概要

急速に高齢化する我が国で、認知症(特にアルツハイマー病)は社会的にも経済的にも大きな問題であり、加えて実際の在宅介護や施設の現場では、患者の認知機能障害以上にBPSD:認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)が大きな負担となっている。BPSDのコントロールの可否が今後の保険医療政策を左右しかねない問題でありながら、暴力、暴言、徘徊、抑うつ、不安、幻覚、妄想などのBPSDの病態機序の分子生物学的研究については、これまで重点的に行われては来なかった。本研究で我々は、強い精神症状を呈した新規プレセニリン遺伝子変異(1アミノ酸欠損)を導入したトランスジェニックマウスを作製・行動解析・免疫組織学的検討を加えることで、BPSDの症状発現に関与する神経伝達物質系や関連蛋白などの同定を試み、今後のより良いBPSD治療薬の開発への足がかりとすることを目的とする。
我々は家族歴のある精神症状が極めて強い家族性ADにおいて、新規の欠失を持つプレセニリン1遺伝子変異を同定している。現在、同変異を導入したモデルマウスを作成することで、行動異常などの表現型を示し、神経病理学的異常を示すトランスジェニックマウスの作成を目指して研究を行っている。
本研究のトランスジェニックマウス作成については、様々な条件を検討した結果、山形大学医学部メディカルサイエンス推進研究所遺伝子実験センターに作成を依頼している。現在、CRISPR/CAS9法で、第一回目に作成された22匹の遺伝子作成マウスが作成され、3匹が生後まもなく死亡、生存している一部が札幌医大に納入されたが、遺伝子変異の導入が確認されなかった。そのため、現在第二回目の遺伝子作成マウス作成を山形大学医学部メディカルサイエンス推進研究所遺伝子実験センターに依頼しており、現在作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、本研究のモデルとなったプレセニリン1遺伝子変異Delta277+Arg278Gly(AGG>GGA)の臨床経過を診察しており、その症候と合わせての論文を作成している。論文作成過程で、遺伝子解析の結果を再検討したところ、本変異は、277番目のコドンを欠損した変異であり、Arg278Gly(AGG>GGA)は伴っていないことが判明し、それに合わせて原稿内容を変更している。
また本研究のトランスジェニックマウス作成については、山形大学医学部メディカルサイエンス推進研究所遺伝子実験センターに作成を依頼し、CRISPR/CAS9法で、作成された22匹の遺伝子作成マウスが作成され、3匹が生後まもなく死亡、生存している一部が札幌医大に納入されたが、遺伝子変異の導入が確認されなかった。そのため、現在第二回目の遺伝子作成マウス作成を山形大学医学部メディカルサイエンス推進研究所遺伝子実験センターに依頼しており、現在作成中である。

今後の研究の推進方策

遺伝子導入がされたマウスが作成され次第、ホモのトランスジェニックマウスを作成し、高脂肪食などの負荷を加えた環境下での育成を行い、神経病理学的検討および行動異常などの検討を開始する予定である。
これまでの先行研究では、プレセニリン遺伝子の単独変異導入トランスジェニックマウスでは表現型が現れにくいことが知られており、高脂肪食以外にも運動制限や薬物負荷なども検討している。

次年度使用額が生じた理由

トランスジェニックマウスをCRISPER/CAS9法にて作成を行ったが、第一回目に作成された22匹のマウスでは、求める遺伝子変異が導入されたマウスが確認されなかった。そのために、第二回目の作成が行われるなど実験計画が当初の予定より遅れてしまっているため。

次年度使用額の使用計画

今後、トランスジェニックマウス飼育費、行動評価、病理学的検討などに経費が使用される

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Role of Suppressor of Cytokine Signaling 3 (SOCS3) in Altering Activated Microglia Phenotype in APPswe/PS1dE9 Mice.2017

    • 著者名/発表者名
      Iwahara N, Hisahara S, Kawamata J, Matsumura A, Yokokawa K, Saito T, Fujikura M, Manabe T, Suzuki H, Matsushita T, Suzuki S, Shimohama S.
    • 雑誌名

      J Alzheimers Dis.

      巻: 55 ページ: 1235-1247

    • DOI

      10.3233/JAD-160887

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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