研究課題
「脳機能的妥当性検証による強迫スペクトラムの新規分類基準の提唱」を目的とした本研究では、主にOCD患者を対象に、様々なbiological markerを用い、OCDや強迫スペクトラムの異種性や連続性についての検討を行ってきた。例えば、言語流暢性課題などの前頭葉機能検査を施行、各課題得点を評価し。さらにこれら課題遂行下にfNIRS(functional near-infrared spectroscopy)を施行、前頭葉各部におけるoxy-Hb濃度変化を測定した。この結果の一部は既に論文化し、Psychiatry Research Neuroimaging誌に掲載された。さらにはOCD患者の10年予後に着目し、10年後の完全寛解群、部分寛解群、治療抵抗群に分けて解析を行った。その結果、2年目当初の反応性の程度が10年後の予後に関わり、それには初診時の機能水準や巻き込みの有無などが治療反応性の予測因子となることを見出した。これらの結果はPsychiatr Clin Neurosci誌に既に受理され近日掲載予定である。その他にもOCDの異種性を、1) comorbidityなどの横断面、2) 長期経過に伴う神経可塑的な脳内変化といった縦断面の両軸で捉えることの重要性を指摘した。特に2)に関しては、不安や不快感の解消を目指す目的志向性行動(goal-directed behavior)から、習慣的行動(habitual behavior)に変遷していくことが、強迫スペクトラム全体において共通しており、治療反応性や予後の観点から強迫スペクトラムの新規分類基準の必要性を裏付けると共に、特に習慣化に至った状態に対する新規治療法の方向性を示唆するものと考えた。
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