太田原症候群は難治性てんかんであり重度の精神発達遅滞を伴うが、STXBP1遺伝子の変異が原因として報告されている。STXBP1は神経伝達物質放出に関わるが、その発症機序は不明である。本研究はその病態メカニズムを調べるためStxbp1遺伝子ヘテロ欠損マウスを用いた。Stxbp1マウスはてんかん性脳活動や記憶・学習障害を示した。さらにヒト神経発達障害などでも頻発する攻撃性の顕著な亢進が観察された。さらにグルタミン酸興奮性シナプス伝達を促進するAmpakineの腹腔内投与により攻撃性は有意に低下した。これらの結果は攻撃性は興奮性伝達促進により軽減され得ることを示唆している。
|