前頭側頭葉変性症(FTLD)は、前頭・側頭葉の神経細胞脱落により人格変化や失語症状を呈する。初老期認知症の中ではアルツハイマー型認知症に次いで頻度が高い疾患である。ほとんどのFTLD例では、神経細胞やグリア細胞内に特定の蛋白質が封入体を形成する。その主要構成蛋白として近年明らかとなったTDP-43およびC9orf72のノックイン(KI)マウスをゲノム編集技術により作製し、FTLDのモデル動物を構築することを目的とした。助成期間内にC9orf72-KIマウスは得られなかったが、TDP-43-KIマウスの作出に成功した。今後FTLD患者脳と同様の病変を再現できるか検討をおこなう予定である。
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