てんかん外科治療前後のてんかん患者の精神症状に関する前方視的研究

2017 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15K09851
• 研究機関: 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部)
• 研究代表者: 西田 拓司 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部), その他, その他 (00399586)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• キーワード: てんかん / てんかん外科 / 精神症状 / 精神病 / うつ / 不安

研究実績の概要

てんかん患者には、うつ、不安、躁、幻覚、妄想、強迫、気分不快などさまざまな精神症状がみられる。これらは、てんかん発作と直接的、間接的に関連して出現し、てんかん病態そのものが関与していることが推定されているが、その発現機序は不明である。本研究では、てんかん外科治療を受ける患者を被験者として、術前、術後3か月時、術後1年時、術後2年時に精神医学的評価を前方視的に行うものである。精神医学的評価バッテリーとして、Mini-International Neuropsychiatric Interview (M.I.N.I.)による構造化面接、ハミルトンうつ病評価尺度HAM-D、ハミルトン不安評価尺度HAM-A、陽性・陰性症状評価尺度PANSS、ヤング躁病評価尺度YMRS、エール-ブラウン強迫症状評価尺度Y-BOCS、発作間歇時不快気分症調査票IDDIを用いた。最終的に130名の患者で術前、術後3か月時、術後1年時、術後2年時までの評価結果を得た。これまでの成果は、2016年には、第50回日本てんかん学会（静岡）のシンポジウム「てんかん外科と包括医療」、ILAE Neuropsychiatric Commission Meeting (Aichi)、2017年には、32nd International Epilepsy Congress (Barcelona)、第51回日本てんかん学会（京都）のシンポジウム「Emotional disturbance in people with epilepsy」で発表した。こららは現在論文化のため準備中である。

研究成果

• [雑誌論文] Simple partial status epilepticus presenting with jargon aphasia and focal hyperperfusion demonstrated by ictal pulsed arterial spin labeling MRI (2018)
  • 著者名/発表者名: Maizuliana H, Ikeda H, Hiyoshi T, Nishida T, Matsuda K, Inoue Y.
  • 雑誌名: Neurology Asia 巻: 23 ページ: 77－83
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Adjunctive perampanel in partial-onset seizures: Asia-Pacific, randomized phase III study (2018)
  • 著者名/発表者名: Nishida T, Lee SK, Inoue Y, Saeki K, Ishikawa K, Kaneko S.
  • 雑誌名: Acta Neurologica Scandinavica 巻: 137 ページ: 392－399
  • DOI: 10.1111/ane.12883
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Influence of renal function on pharmacokinetics of antiepileptic drugs metabolized by CYP3A4 in a patients with renal impairment (2018)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto Y, Usui N, Nishida T, Mori M, Takahashi Y, Imai K, Kagawa Y, Inoue Y.
  • 雑誌名: Therapeutic Drug Monitoring 巻: 40 ページ: 144－147
  • DOI: 10.1097/FTD.0000000000000461
  • 査読あり
• [雑誌論文] 新世代抗てんかん薬を使いこなす (2018)
  • 著者名/発表者名: 西田拓司
  • 雑誌名: 精神医学 巻: 60 ページ: 375-384
• [雑誌論文] てんかん患者学習プログラムMOSES（モーゼス）の有用性に関する予備的調査 (2018)
  • 著者名/発表者名: 山﨑陽平, 西田拓司, 井上有史
  • 雑誌名: てんかん研究 巻: 35 ページ: 702-709
  • 査読あり
• [雑誌論文] Therapeutic drug monitoring for perampanel in Japanese epilepsy patients: influence of concomitant antiepileptic drugs (2017)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto Y, Usui N, Nishida T, Takahashi Y, Imai K, Kagawa Y, Inoue Y.
  • 雑誌名: Therapeutic Drug Monitoring 巻: 39 ページ: 446－449
  • DOI: 10.1097/FTD.0000000000000416
  • 査読あり
• [雑誌論文] てんかんと自動車運転 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西田拓司
  • 雑誌名: 臨床精神医学 巻: 46 ページ: 921-928
• [雑誌論文] てんかん患者の就労支援 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西田拓司
  • 雑誌名: リハビリテーション医学 巻: 54 ページ: 274-278
• [雑誌論文] てんかんのある人における運転免許の現状と問題点: 2014年道路交通法改正前後の公安委員会・医師へのアンケート調査 (2017)
  • 著者名/発表者名: 川合謙介, 荒木敦, 石田重信, 久保田英幹, 菅野秀宣, 太組一朗, 西田拓司, 平田幸一, 前垣義弘, 松浦雅人.
  • 雑誌名: てんかん研究 巻: 34 ページ: 637-644
• [学会発表] Depression before and after surgery (2017)
  • 著者名/発表者名: Takuji Nishida, Naotaka Usui, Yushi Inoue.
  • 学会等名: 32nd International Epilepsy Congress
  • 国際学会
• [学会発表] Emotional disturbances of people with epilepsy in Japan (2017)
  • 著者名/発表者名: Takuji Nishida
  • 学会等名: 第51回日本てんかん学会
• [図書] Acute Encephalopathy and Encephalitis in Infancy and Its Related Disorders (2017)
  • 著者名/発表者名: Yukitoshi Takahashi, Takuji Nishida, Tomokazu Kimizu, Taikan Oboshi, Asako Horino, Takayoshi Koike, Shinsaku Yoshitomi, Tokito Yamaguchi, Hiroｗo Omatsu
  • 総ページ数: 350
  • 出版者: Elsevier
  • ISBN: 978-0-323-53088-0
• [図書] プライマリ・ケアのための新規抗てんかん薬マスターブック改訂第2版 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西田拓司
  • 総ページ数: 133
  • 出版者: 診断と治療社
  • ISBN: 978-4-7878-2318-2
• [図書] てんかん学用語集 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西田拓司
  • 総ページ数: 165
  • 出版者: 診断と治療社
  • ISBN: 978-4-7878-2341-0