てんかん患者には、うつ、不安、精神病などのさまざまな精神症状がみられるが、その発現機序は不明である。本研究では、てんかん外科治療を受ける患者を被験者として、術前、術後3か月、1年、2年時に精神医学的評価を行い、130名で評価を終えた。このうち、16歳以上のてんかん患者79名について解析を行った。その結果、79名中32名(41%)で術前あるいは術後に何らかの精神疾患がみられた。術前に精神疾患がみられた21名中14名(67%)では術後2年時に精神疾患は消退していた。一方、術前に精神疾患がみられなかった58名中11名(19%)は術後2年までの期間に何らかの精神疾患を有した。
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