研究課題/領域番号 |
15K09853
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
朝倉 聡 北海道大学, 医学研究科, 准教授 (30333602)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 青年期 / 抑うつ症状 / 人格特性 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、大学新入学生およびその他の学年の学部学生、大学院生等に対し抑うつ症状の評価として行っているPatient Health Questionnaire (PHQ-9)によるアルゴリズム診断について検討を行った。平成27年度の検討で、学部学生では4年時に抑うつ症状が強くなっている可能性が推測されたため、4年時と入学時のPHQ-9についてうつ病エピソードの割合の遷移を調査した。 入学時にPHQ-9のアルゴリズム診断で大うつ病エピソードであった学生は4年時に27.3%は大うつ病エピソードであり、18.2%はその他のうつ病エピソードであり、54.6%はうつ病エピソード無しであった。入学時にPHQ-9のアルゴリズム診断でその他のうつ病エピソードであった学生は4年時に9.2%は大うつ病エピソードであり、9.2%はその他のうつ病エピソードであり、81.6%はうつ病エピソード無しであった。また、入学時にPHQ-9のアルゴリズム診断でうつ病エピソード無しであった学生は4年時に1.5%は大うつ病エピソードであり、3.3%はその他のうつ病エピソードであり、95.2%はうつ病エピソード無しであった。これらのことから4年時のうつ病エピソードについては、入学時のうつ病エピソードが関連していることが推測された。 今後は、入学時に人格特性として評価しているTemperament and Character Inventory (TCI)と数年後の在学年代における抑うつ症状発症との関連を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学保健センター受診学生について、抑うつ症状、自尊心・自己効力感、絶望感、社交不安、ライフイベント等のデータベースを作成し、入学時の抑うつ症状、人格特性との関連を検討する予定であったが、データベースの構築が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
大学保健センター受診学生についてのデータベースを構築し、受診時の抑うつ症状、自尊心・自己効力感、絶望感、社交不安、ライフイベント等と入学時の抑うつ症状、人格特性との関連を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学保健センター受診学生についてのデータベースの構築が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
大学保健センター受診学生についてのデータベースを構築する。また、各種評価スケールの整備も予定している。
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