研究課題
我が国の自殺者数が急増し年間3万人を超えた1998年には全年齢層において自殺者数の増加が認められたが,中高年男性において自殺者数の顕著な増加が認められ,それが1998年以降の我が国の自殺の特徴とされていた。しかし,近年では中高年層の自殺者数は大きく減少し,特に50代,60代では自殺死亡率が2013年時点で1998年以前の水準に回復している一方で,10代から30代の若年者においては自殺者数の減少が緩徐であり,10代から30代においては2016年時点で1998年と同水準かそれより高い自殺死亡率を示している。また,15歳~34歳においては2016年における死因の第1位が自殺となっており,欧米諸国と比較しても極めて高い自殺死亡率となっている。本研究では対象は、6歳から18歳の札幌市の小中学高校生に対してに対して本人および保護者から得た上で、自殺関連要因を同定し、それに伴うBCL(子ども行動チェックリスト)、Birleson:自己記入式抑うつ評価尺度(DSRS-C)、FTTを実施し、児童思春期における自殺行動に関連する、心理、コミュニケーション能力、発達障害の影響について探索的研究を行った。2年連続して回答した小中高校生118名を対象に自殺念慮の変化ならびにそれに関する要因を解析した。児童思春期を超えると自殺関連行動が急激に高まり、自殺関連行動の推移は成人の自殺者が減少にある実態とは異なり児童思春期に適切な自殺予防対策ためにも今回の結果をもとにさらに児童思春期の自殺関連行動に寄与する要因を明確にしていく必要がある。
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Journal of the Korean Academy of Child and Adolescent Psychiatry
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