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2015 年度 実施状況報告書

被爆体験は認知症発症に影響を与えるか。-高齢化する被爆者のメンタルヘルス-

研究課題

研究課題/領域番号 15K09869
研究機関長崎大学

研究代表者

中根 秀之  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90274795)

研究分担者 田中 悟郎  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00253691)
田中 浩二  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (60613601)
中尾 理恵子  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (80315267)
本田 純久  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90244053)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード精神医学 / 認知症 / 被爆者 / メンタルヘルス
研究実績の概要

被爆より70年が経過し、被爆者健康手帳を持つ人が、2013年末に20万人を割り、ピーク時のほぼ半数となっている。高齢化する被爆者の心身健康の実態を明らかにすることは喫緊の課題である。被爆の長期リスクを考える上でも本研究の位置づけは重要である。このため本研究の目的は、高齢化する被爆者における認知症有病率および心身健康について実態を把握すること、および追跡調査のためのデータベース構築である。本研究の対象者は、長崎市とその近郊に在住の被爆者手帳を有する被爆者(被爆者群)および69歳以上の高齢非被爆者(非被爆者群)である。調査の内容は、第1段階スクリーニングで、社会経済的背景、MoCA、GHQ-12、DAS2.0を実施し、MoCA:26点未満、あるいはGHQ-12:4点以上の場合に、第2段階精神神経詳細評価に進む。第2段階では、GHQ-30、SGDS、MMSE、WHOQOL26を行う。第3段階は原則希望者に血液検査、MRI画像検査を実施する。本研究27年度は、プロトコールの確定、調査票の作成等を経て、倫理審査申請し、H27年10月13日に長崎大学医学系倫理委員会にて承認(承認番号:15092553)を受けた。その後、被爆者群の調査実施について公益財団法人長崎原子爆弾被爆者対策協議会等の関係機関との調整も順調に進んだ。
H27年12月より予備調査を行い、H28年1月より本調査を開始している。対象者は、被爆者群として長崎市ハートセンターにて実施される被爆者健診に参加される被爆者である。調査は第1段階(スクリーニング)、第2段階(精神神経詳細評価)、第3段階(画像・血液検査)から構成されている。第3段階の対象は希望者であるため、対象者の負担軽減を考え、これまでの血液検査等での評価を中心に行っている。H27年度末まで、被爆者を対象とした調査を実施し、約100名の協力を得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は、まずプロトコールの確定、調査票の作成等を行った。調査票は、第1段階、第2段階、第3段階から構成されている。第1段階はスクリーニングであり、基本属性に加え、MoCA、GHQ-12、DAS2.0などを含む。第2段階は、より詳細な心身健康に関する情報収集のため、MMSE、GHQ-30、SGDS、WHOQOL26からなっている。第3段階は、画像・血液検査であるが、希望者に実施することとしている。第1段階から第2段階へ進むには、MoCA:26点未満、GHQ-12:4点以上をカットオフ値に設定している。前述の調査研究計画を作成し、長崎大学医学系倫理委員会に申請後、H27年10月13日に承認(承認番号:15092553)を受けた。その後、被爆者群の調査実施について公益財団法人長崎原子爆弾被爆者対策協議会、長崎赤十字原爆病院等の関係機関との調整も順調に進んだ。施設および血液データの利用等については、長崎市へも申請を行い許可を得て行っている。
調査実施前には、調査員に対して評価票に関する教育・トレーニングを行った。H27年12月より予備調査を行い、H28年1月より本調査を開始している。H27年度末まで、被爆者を対象とした調査を実施し、100名超の協力を得られている。

今後の研究の推進方策

H28年4月末まで、被爆者を対象とした調査を終え、5月以降は非被爆者を対象とした調査に移る予定である。非被爆者群については、公民館、健康教室等への参加者を対象と考えており、長崎県・長崎市に協力を依頼することを研究分担者とともに検討している。同時に被爆者より収集した情報・データについても入力を進め、解析およびデータベース構築への準備を行う。平成28年度中には、調査を終了することを目標としている。現時点では、特段調査研究について大きな変更は行う予定はない。

次年度使用額が生じた理由

調査対象者として、被爆者および非被爆者の予備調査を行う予定としていたが、年度をまたがり被爆者の調査を先行して行うこととした。これは、被爆者にとって8月9日の原爆記念日が近づくことによってメンタルヘルスへの影響が大きくなることが予想されたためである。次年度使用額が生じた理由については、実際対象者を250人としていたが、H27年度は100人程度にとどまり、予定していた額を下回ったためである。

次年度使用額の使用計画

H28年度は、被爆者および非被爆者の調査を実施することから、被爆者群および非被爆者群への調査協力者への謝金、さらに本調査実施に協力している調査員の謝金の捻出が予想される。昨年度の次年度使用額の使用をこれに充てる予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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