研究課題/領域番号 |
15K09878
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
竹田 和良 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医員 (00631342)
|
研究分担者 |
中込 和幸 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所, 所長 (30198056)
住吉 太幹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, 部長 (80286062)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 統合失調症 / 認知機能障害 / 認知リハビリテーション / ワーキングメモリ / 神経メカニズム |
研究実績の概要 |
統合失調症における認知機能障害は、機能的転帰と強く相関しており、その治療法を開発し、治療による効果と機能改善効果のメカニズムを明らかにすることは重要である。我々は、ワーキングメモリ障害に焦点を当て、これまでにワーキングメモリ障害のリハビリテーション法を開発してきた。本研究では、これを用いて、リハビリによる機能改善効果のメカニズムを明らかにすることを目的とした。 平成27年度は、 (1)リハビリの質の評価・確保 (2)ワーキングメモリ障害のリハビリテーション、以上2点を実施した。これまでの我々の分析において、認知リハの効果判定には、リハビリの質が重要であり、質の指標である臨床試験評価尺度 (Clinical Trials Assessment Measure, CTAM)値と認知機能の効果サイズには、有意な負の相関がみられた。 そこで、我々は、リハビリの質を確保するため、対照群との無作為化ランダム試験を実施し、評価はリハビリ実施者ではなく独立した評価者が実施する等に留意してリハビリ条件を再構築した。リハビリ内容は、週に2回、 約45分間/回のコンピュータセッションと週に1回、約45分の言語セッションで構成した。コンピュータセッションでは、患者は選定した複数のリハビリテーション用ソフトに取り組み、言語セッションでは、作成したマニュアルを用いて、リハビリテーション課題と日常生活行動を結びつけ、動機づけを高める集団ミーティングを実施した。 現在、リハビリ前後で種々の心理評価尺度(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia, BACS; UCSD Performance-based Skills Assessment-Brief, UPSA-B等)及び画像データを取得しつつ、リハビリテーションを実施中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リハビリテーションの被験者リクルートにやや時間を要しており、リハビリの実施状況はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
院内の統合失調症早期診断・治療センターの統合失調症専門外来等に周知し、必要な被験者数が速やかに集まるように工夫を加えていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
リハビリテーションに参加する被験者リクルートがやや遅れたため、予定より心理検査等で必要な謝金や心理士の人件費が下回った。これに伴い、心理検査データや画像データが予定よりも集まっておらず、データ解析に関連した支出が下回った。
|
次年度使用額の使用計画 |
当院の専門外来等に働きかけ、被験者リクルートを積極的に実施し、現在は概ね軌道にのりつつある。よって、必要な謝金の支出額の増加やデータ整理・補助のための心理士を雇用する人件費に使用する予定である。またデータ解析用のソフトやPCの購入を行う。
|