研究課題
H28年度は、73名のASD児(男児58名、女児18名、平均月齢30.2±5.1ヶ月)を対象に、The Baby and Infant Screen for Children with aUtIsm Traits (以下BISCUIT)日本語版の併存症評価パート(Part2(57項目):情緒面の問題や多動など5つのカテゴリーからなる併存症評価、Part3(15項目):自傷行為、攻撃性、反復的感覚運動3つのカテゴリーからなるchallenging behaviorの評価)を用いて得られたデータの解析を行った。 Part2.3のトータルスコア、下位カテゴリースコアともに広く分布し、この年齢帯のASD児においても併存的問題に個人差が既に認められることが明らかになった。challenging behaviorはこの年齢帯においても性別や月齢、発達水準によらず既に高率に併存し(自傷行為;31.5%、攻撃性(破壊的行動);86.3%、反復的感覚運動;57.5%)、全般的な自閉症症状の重症度と関連があることが明らかになった。以上より、発達早期のASD児において、一定の割合で併存的問題が既に認められることから、ASDが疑われる児に対しては、ASDの診断のみならず併存症の観点からも発達早期より多面的評価を行うことが重要と考えれる。
3: やや遅れている
論文化作業をすすめる必要がある。
得られたdataを基に成果発表を行っていく。
当初予定していた学会参加や物品購入、論文投稿を行わなかったため
解析機器の購入や成果発表等にあてる予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
European Psychiatry
巻: 42 ページ: 70-76
Psychiatry and Clinical Neuroscience
巻: 70(9) ページ: 371-93