研究実績の概要 |
本研究では、病巣の血管新生に関わる微小循環を解明し、早期発見、治療効果判定を正確に行う評価系を構築するために血管新生阻害剤のサロゲートマーカーとして新規合成したインテグリン分子イメージング用RGD(Arg-Gly-Asp) ペプチドプローブによる薬効評価法を構築するため、難治性疾患の血管新生に焦点を絞って臨床病理学的かつ画像医学的に解析し、In vivo及びIn vitro実験モデルの開発を通してex vivoモデル構築を実施し、臨床応用を目指している。領域横断的に幅広く適応疾患を選択するため、インテグリン分子イメージング用RGD PET製剤による薬効評価法による動物実験をモデル動物を用いて行い、可能性のある疾患群を選定し次期臨床試験に備える。具体的には腫瘍性疾患では、血管新生が豊富な造血器腫瘍でmyeloma(Br J Haematol;154:533-5,2011)、DLBCL(N Engl J Med;359:2313,2008)、または、Aggressive non-Hodgkin lymphoma(Leukemia & Lymphoma;50:728-35, 2009)である。非腫瘍性疾患としては特に治療抵抗性が問題となっている膠原病(慢性関節リウマチなど)、感染症(結核など)、循環不全を背景とする慢性疾患(糖尿病性壊疽、慢性皮膚潰瘍)を予定している。研究開始後に動物用PET撮影装置に機械的エラーが生じたため、撮影を一次中断して研究を調整している。モデル動物の選定は順次実施しており、イメージング用RGDの合成も調整済みである。
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