研究課題/領域番号 |
15K09889
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡邉 嘉之 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20362733)
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研究分担者 |
藤中 俊之 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00359845)
伊井 仁志 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任准教授(常勤) (50513016) [辞退]
和田 成生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70240546)
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533794)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 血管壁イメージング / 拍動 / 頚動脈 |
研究実績の概要 |
1)今回の我々の目的は血管壁の動きと血流計測を統合することで壁運動を考慮した新しい流体解析結果を得ることである。昨年度の検討では頭蓋内血管の評価は信号ノイズ比の関係から評価が困難であり、今年度は頸部血管を対象として血管拍動描出を試みた。 2)対象は正常健常人3名(男性2名:女性1名、平均年齢 27才)で、頸部血管(総頚動脈、内頚動脈)の2横断像を撮像した。コイルはFlex-Sコイルを両側頸部に留置して撮影。撮像シークエンスの詳細は以下に示すとおりである。T1-TFE法(TR/TE=3.8/1.93msec, FA=13, TFE factor=24, SENSE=2, FOV=185X160mm, Matrix=256X222, slice thickness=5mm, 1slice)。脈波同期にて一定のTI時間後にMSDE負荷し撮像。TIは原則100msecから50msごとに20 phase 設定し、心拍数にて調整を加えた。撮像時間は約5分であった。 3)結果:すべての症例で血管内腔信号を抑制した血管壁画像を測定可能であった。全例で時相による血管壁の動きを観察可能であった。一部の症例で患者の動きにより画像のずれを認めた。また、一部の時相で血管壁自体も信号低下する症例が認められた。 4)考察および結論:血管壁信号の低下した時相ではMSDE信号が壁信号も抑制した可能性が考えられた。血管壁の動きは動脈硬化、脳動脈瘤の破裂予測などに期待され、今後より条件を最適化することで良好なT1-BB-cine画像を確立させたい。現在は1画像を順に撮像しているが、患者の動きによる全体のずれがあり、今後は多時相を1度に撮像する方法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
我々が理想とする頭蓋内での血管壁イメージングは得られていない。血管内信号の抑制が一部血管壁自体を抑制していること、現在の撮像法では患者自身の動きが重なり、血管壁の動きのみの評価ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は多時相を1回に撮像する方法を検討する予定である。 現在はT1強調画像で行っているが、難しい場合はT2強調画像を用いて脳脊髄液と血管の境界を見ることで血管の動きを見る方法も検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用しているMRI装置の更新があり、新しいMRI装置で本研究を継続するために新しいソフトの購入が必要(48万円程度)であり、その費用を含め次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度は新しい装置で利用するソフトを購入予定である。
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