研究分担者 |
藤中 俊之 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00359845)
伊井 仁志 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任准教授(常勤) (50513016) [辞退]
和田 成生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70240546)
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533794)
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研究実績の概要 |
1)今回の我々の目的は血管壁の動きと血流計測を統合することで壁運動を考慮した新しい流体解析結果を得ることである。昨年度の検討から各スライス毎の撮像では位置ずれが生じ、同時撮像の方法を検討した。 2)対象は正常健常人4名(男性4名、平均年齢 28才)で、頸部血管(総頚動脈、内頚動脈)の2横断像を撮像した。装置の更新によりコイルは32チャンネルのヘッドコイルを使用した。今回の検討では1スライス毎にMSDE-TSE法を用いてインターリーブを用いての撮影を検討した。撮像シークエンスの詳細は以下に示すとおりである。T1-TSE法(TR/TE=2.1/9msec, FA=90, TSE factor=9, SENSE=2, FOV=150mm, Matrix=256X222, slice thickness=5mm, 1slice)。脈波同期にて一定のTI時間後にMSDE負荷し撮像。1心拍の10 phaseの画像を得た。撮像時間は約5分であった。 3)結果:すべての症例で血管内腔信号を抑制した血管壁画像を測定可能であった。全例で時相による血管壁の動きを観察可能であった。一部の症例では患者の喉頭の動きによりartifactを生じていた。 この検討とは別に、4D-FlowMRIを用いた血流情報を用いてCFD精度を向上する検討を行い、新しいFeedback control methodを開発した。 4)考察および結論:撮像中の呼吸や嚥下による動きをできる限り抑制する方法を追加する必要がある。また、今後は頭蓋内血管への応用を検討したい。4D-Flow dataとCFDの融合によりより正確な血流計測が期待できる。それに今回の壁運動情報を加えることにより、より精密な血行動態の評価が行えることが示唆される。
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