炎症性腸疾患(IBD)のCT enteroclysis/enterography(CTE)所見を検討した。潰瘍性大腸炎(UC)では粘膜濃染像、腸管壁肥厚、壁層状化の所見が臨床的活動度と相関がみられた。CTEは炎症性ポリープのような典型所見のみならず、中毒性巨大結腸症や結腸直腸癌など重要な合併症の検出にも有用であった。クローン病では粘膜の造影程度が臨床的活動度と密接な関連がみられ、壁肥厚の所見はUCより高度であった。敷石像や非連続性病変のような典型所見のみならず、狭窄、瘻孔、膿瘍、肛門周囲病変等の合併症の描出にも優れていた。CTEはIBDの検出、活動度、合併症の評価に有用な画像法と考えられた。
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