研究課題/領域番号 |
15K09893
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡邊 祐司 九州大学, 医学研究院, 教授 (90158668)
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研究分担者 |
馬場 眞吾 九州大学, 大学病院, 講師 (80380450)
栂尾 理 九州大学, 大学病院, 助教 (10452749)
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
磯田 拓郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90452747) [辞退]
本田 浩 九州大学, 医学研究院, 教授 (90145433)
亀井 僚太郎 九州大学, 大学病院, 医員 (70772044)
鷺山 幸二 九州大学, 大学病院, 医員 (20755243)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 頚動脈プラーク / 脆弱性 / PET/MR / FDG / ストレイン / 拡散強調像 |
研究実績の概要 |
頚動脈プラークは脳梗塞や一過性脳虚血疾患の原因であり、その脆弱性と複合化進行の予測を正確に推定できれば最適な治療法の選択に役立つ。従来のMRでのT1/T2強調像によるプラークの性状評価では不十分であった。PET/MRハイブリッド装置ではPETとMRを同時に収集し、内部性状と炎症・代謝活性度を重ね合わせ可視化でき、頚動脈プラークの脆弱性、危険度を測定が可能と期待される。 平成28年度は,前年度に引き続き、PETの高空間分解能撮像およびMRシークエンスと解析法の開発に取り組んだ。高分解能PET画像では2mmボクセルで画像取得し、撮像開始のタイミングによる頚動脈の壁/内腔の集積比について検討した。MRでは拡散強調像を含めた撮像プロトコルについて検討した。さらに拍動に伴う頚動脈壁の動きを可視化するため、black-blood 撮像とbright-blood撮像の両者から壁の運動をボクセル毎に抽出しストレイン解析を試みた。 PETの高空間分解能画像の取得は可能であったが、頚動脈内腔と壁の集積の完全な分別は困難であった。MR拡散強調像では、局所励起法により歪みの低減による位置精度の向上が得られた。心電図同期撮像による壁運動の動画像では、ストレイン解析に必要な壁の移動量が得られず、さらなる高空間分解能でのシネ撮像が必要となり困難に直面している。 最終年度は患者撮像を積み重ねる予定であるが、PETでの頚動脈の壁と内腔の分別描画とMRによるストレイン解析のソフト開発を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時に予定していた、PET撮像法とMRシークエンスの最適化はほぼ予定通りに達成した。頚動脈プラークの脆弱性の測定法については拡散強調像とFDG集積の共分散分析法の実用化を達成した。PETでの内腔と壁の分別、壁運動による壁の硬さとストレイン解析に関してはさらに検討が必要。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に得られた結果を基にして、平成29年度以降はプラークの解析法の開発と改良をおこない、患者のデータ収集と解析を行う予定である。
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