研究課題/領域番号 |
15K09894
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
末吉 英純 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40380894)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | dual energy CT / lung PBV / 肺血流量 / 定量化 |
研究実績の概要 |
本年度は、まず今まで蓄積されているdual energy CTによるlung PBVのデーターベースの解析を行い、dual energy CTによるlung PBVから得られた肺血流の定量値と肺動脈圧との相関について検討を行った。 CTを施行後、2週間以内に心エコー検査を受けた274人の患者を検討し、推定収縮期肺動脈圧(SPAP)が高い( ≧ 40 mmHgの)低い群( < 40 mmHgの)に分け、lung PBVとSPAPの間の相関関係を評価した。結果は有意な負の相関があることが示された。現在、肺血流量を非侵襲的に定量化する方法はなく、有用な方法であることが示された。この結果を学術誌に投稿し受理された。今後、発行予定である。 また、同様に肺血栓塞栓症患者におけるDual-energy CTを用いたlung PBV遅延相の 意義について検討を行い、肺血栓塞栓症患者ではlung PBV早期相では低下し、遅延相では回復していることが示された。それにより、肺血栓塞栓症患者の肺循環への体循環の関与の評価が可能となる可能性が示唆された。学会報告し現在投稿中である。 また、現在は慢性肺血栓塞栓症患者に行われているカテーテルによる肺動脈形成術(PTA)患者の治療前後のlung PBVの検討を行っており、現在は症例数は少ないが治療後はlung PBV値は改善する傾向にあり、現在症例を増やし検討中である。また、この結果を途中経過として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
いくつかのスタディが同時に進行し一部は論文化し学会発表している。
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今後の研究の推進方策 |
現在は慢性肺血栓塞栓症患者に行われているカテーテルによる肺動脈形成術(PTA)患者の治療前後のlung PBVの検討を行っており、現在症例を増やし検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は以前より得られていたデータベースmの解析を行ったため、経費があまりかからなかった。しかし次年度以降は新たな症例や解析データを増やす予定であり、新たな解析ソフトの必要性や学会発表や論文執筆のための渡航費用や資料、雑費などが必要となる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降は新たな症例や解析データを増やす予定であり、記憶媒体や新たな解析ソフトおよびPC等の購入が必要となる。また学会発表や論文執筆のための渡航費用や資料、雑費などがさらに必要となる予定である。
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