研究課題/領域番号 |
15K09896
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
平井 俊範 宮崎大学, 医学部, 教授 (40274724)
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研究分担者 |
橋本 衛 熊本大学, その他の研究科, 准教授 (20452881)
池田 学 熊本大学, その他の研究科, 教授 (60284395)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / MRI / 定量的磁化率マップ |
研究実績の概要 |
現在アルツハイマー病の臨床において、脳アミロイドイメージングはPET により通常行われるが、サイクロトロンが必要で施設が限られ、経済的の高価で、対象者に対して少量の被曝もある。MRI による脳アミロイドイメージングは7T などの超高磁場MRI 装置で画像化が報告されているが、機器が限られて実用化は難しい。3T でのMRI 装置で定量的磁化率マップ(QSM)を用い脳アミロイドβ蓄積病変を定量化・画像化できれば、超高磁場装置以外では世界で初めての功績である。3T MRI 装置は本邦では多くの施設で導入されており汎用性が高く、経済的にも安価で、被曝の必要もない。また、空間分解能に関してもMRI の方がPET より高い画像が得られることから、より詳細なアミロイドイメージングが期待される。 パーキンソン病やアルツハイマー病などの様々な神経疾患で脳組織内に過剰な鉄沈着との因果関係が最近注目されている。脳の鉄沈着を位相を用いて定量化する手法としてQSMがあり、現在コーネル大学と共同研究を行っているが、我々はその技術の基礎的検討を行い、アルツハイマー病などの認知症患者に応用予定である。基礎実験で得られた条件を基に、健常ボランティア、アルツハイマー病やレビー小体認知症の患者に対して3T MRI装置にて三次元マルチエコーグラジエントエコー法で撮像し、得られた画像データをQSM 処理を行う。その後、健常者と認知症患者における大脳皮質や深部灰白質の磁化率値について比較検討する。現在のところ、黒質の磁化率値は健常ボランティア、アルツハイマー病、レビー小体認知症の順に磁化率が上昇する結果が得られているが、大脳皮質に有意な差は得られていない。症例を増やして検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主任研究者が熊本大学から宮崎大学に異動になり、その影響でやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
コーネル大学、熊本大学と連携して本研究を進めていく。
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