研究課題/領域番号 |
15K09902
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
田中 良一 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (30393218)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 画像診断 / 閉塞性動脈疾患 / Computed Tomography / 血管造影 |
研究実績の概要 |
平成27年度は過去に蓄積された症例の計測後データの解析とともに新規症例の蓄積を行った.また,過去症例のうち直近の症例で未計測の群についてデータ解析の手続きをとった.過去症例について解析が終了した腸骨動脈病変の症例群については解析結果を論文化し,日本医学放射線学会誌 (Japanese Journal of Radiology) に発表した(1). 過去の症例データからは腸骨動脈におけるサブトラクションCTAの有用性が示され,従来のCTAでは評価が困難であった高度石灰化を有する症例において,侵襲的血管造影による診断に遜色ない結果が得られた. 追加の症例群の解析においては大腿動脈以下の細動脈における診断精度を確認するため,さらに厳密な血管計測が必要となったため解析処理が年度内に完結せず,年度をまたぐこととなった. また,研究年度内に0.25mmの空間分解能を有する超高精細CTによる評価も可能となったため,本研究年度は超高精細CTによる足趾血管の描出可能性の検討を目的としたデータ収集も開始し,順調な症例の蓄積を得ている. 1.Suzuki M, Tanaka R, Yoshioka K, Abiko A, Ehara S. Subtraction CT angiography for the diagnosis of iliac arterial steno-occlusive disease. Jpn J Radiol. 2016;34(3):194-202.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
部分的には進んでいるところもあるが,より詳細な解析を必要としたため外部委託の解析結果の受け取りが年度をまたぐこととなった. 既に解析依頼は終わっており,現状では平成28年度上半期に計測結果の受け取りを行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
追加の症例解析については継続的に行い,新規症例の解析についても順次処理する.また,前年度解析が終了していない被曝についても解析を行う. 超高精細CTで足趾血管の詳細評価が可能となったため,従来のCT (空間分解能 0.5mm)との比較を進めるとともに,新たに導入された逐次近似再構成法を付加した従来のCTにおける診断精度についても細動脈血管ファントムを作成し検証する. 適合症例の蓄積は順調に行われており,解析処理の遅延のみが現状の問題であるため,これを解決し,最終年度の報告に向けて解析と検討を重ねてゆく.
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次年度使用額が生じた理由 |
外部委託の計測処理に精度を要し,予定より処理の遅れが生じている.そのため年度をまたぐこととなり次年度使用額が生じる結果となった.
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次年度使用額の使用計画 |
計測結果の返送を受け,外部委託解析費用の支払いを予定額通りに執行する.
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