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2017 年度 実績報告書

生体内安定性及び腫瘍認識能の向上を目指した放射性ヨウ素標識ナノ粒子キャリアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K09903
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

山本 文彦  東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40253471)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード分子イメージング / 放射性標識合成 / 腫瘍 / セラノスティクス / 体内動態 / マウス / インビボ / ナノ粒子
研究実績の概要

腫瘍認識能の向上を期待する改良として、前年度までにラクトソーム表面に葉酸基を付加するための両親媒性ポリマーのポリサルコシン末端に葉酸を導入し粒子化とI-125標識化に成功していたが、今回、再現性よくI-125標識葉酸ラクトソームを合成する条件を確立した。得られたI-125標識葉酸ラクトソームについて、その腫瘍認識能の基礎評価をin vivoで試みた。in vivo評価モデルとして皮下にKB腫瘍(葉酸受容体発現細胞)を移植したヌードマウスとcolon26(通常の腫瘍細胞として)を移植したマウスを用い、要時調製したI-125標識葉酸ラクトソームを5kBq投与した。投与後、24時間後の各組織への放射能分布を調べた結果、KB腫瘍モデル、colon26腫瘍モデルともに、肝臓と脾臓への放射能分布が最も高く、腫瘍への分布は低かった。I-125ラクトソームはcolon26腫瘍に分布し肝臓への集積は低いことから、表面に葉酸を有することによりステルス性を失った可能性が示唆された。またKBとcolon26への分布の差は、絶対値が低いこともあり認められなかった。これらの知見から、in vitro評価系の確立することが重要で、またステルス性を失わず且つ腫瘍認識能を向上させるためのラクトソーム表面への葉酸導入率の最適化の検討が今後必要であることがわかった。In vitro評価系の構築は現在検討中である。
本基材はSPECTイメージングを目的とした診断薬としての開発に加え、治療も行える「ラジオセラノスティクス」の可能性がある。派生的研究としてマウス骨髄やリンパ節への放射能分布についても予備的実験に成功したので、今後、治療薬として開発するためのin vivo評価系として利用検討していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 放射線照射によるがん細胞の突然変異に対するAPOBEC3の影響2018

    • 著者名/発表者名
      齋藤陽平、石井孝弘、山本由美、山本文彦
    • 学会等名
      日本薬学会第138年会
  • [学会発表] 新しいナノ粒子の腫瘍指向性DDS基材としての可能性 ~放射性分子イメージング剤開発とセラノスティクスへの展開~2017

    • 著者名/発表者名
      山本文彦
    • 学会等名
      平成29年度佐賀県薬剤師会生涯学習
    • 招待講演
  • [学会発表] 放射線照射による突然変異に対するAPOBECの関与2017

    • 著者名/発表者名
      齋藤陽平、山本由美、山本文彦
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] COX-2イメージングを目的としたnimesulide-p位ヨウ素標識体の標識合成2017

    • 著者名/発表者名
      山本由美、佐々木涼太、簗瀬友希、齋藤陽平、山本文彦
    • 学会等名
      第57回日本核医学会学術総会
  • [学会発表] スズ前駆体を用いたnimesulide誘導体の放射性ヨウ素標識合成法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      山本由美、簗瀬友希、佐々木涼太、齋藤陽平、山本文彦
    • 学会等名
      第57回日本核医学会学術総会
  • [学会発表] COX-2イメージングを目的としたnimesulide-p,m位ヨウ素標識合成2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木涼太、簗瀬友希、山本由美、齋藤陽平、山本文彦
    • 学会等名
      第61回日本薬学会関東支部大会

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公開日: 2018-12-17  

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