研究課題
この1年間に新たに冠状動脈瘤を有す川崎病遠隔期患者5例で、CTによる形態評価をガイドに、PETを用いて、冠状動脈瘤、大動脈壁、各体動脈局所のFDGの取り込みの有無と、その取り込みの程度を定量化した。川崎病後に冠状動脈瘤あるいは体動脈瘤の残存する患者のべ23例でPET/CT検査を行った。一方、川崎病後冠状動脈瘤を形成したが、その後冠状動脈瘤の退縮した患者は合計8例でPET/CT検査を行った。この2群間で、冠状動脈瘤、大動脈壁、各体動脈局所でのFDGの取り込み、患者の身長、体重、脂質プロファイルや耐糖能に関する血液検査所見、あるいは血管内皮機能や血管のプロパティーに関する各種指標を比較するとともに、FDGの取り込みに相関する患者属性、血液検査あるいは血管機能について検討した。解析途中であるが、現時点で冠状動脈のみならず、上行、弓部、下行の各胸部大動脈で、川崎病後動脈瘤の残存している患者では、瘤の退縮した患者に比してFDGの取り込みが亢進していることが発見された。また、川崎病後動脈瘤の残存している例では、瘤の退縮した例に比して体血圧が上昇していることが認められたが、FDGの取り込みに相関する患者属性、血液検査は今のところ見つかっていない。また、冠状動脈壁の評価のためMRIセッティングの調整を行い、1例についてはMRIによる冠動脈の撮像を行った。
3: やや遅れている
冠動脈瘤退縮後の患者の研究登録が遅れている。また、MRIの最適な撮像条件を策定しているが、まだ内膜評価の可能な至摘条件が設定できていない。
さらに外来フォロー中の患者に呼びかけて、冠動脈瘤退縮後の症例を研究に登録する。情報収集を行い、当大学の保有するMRIで冠動脈の撮影を行う指摘条件を決定する。近隣の関連施設の保有するMRIでの冠動脈撮影の可能性について検討する。
予定の患者数が研究に参加できなかったため、未使用研究費が発生しました。
再度、患者に働きかけ、登録数を増やす予定です。
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Int J Cardiol
巻: 179 ページ: 61-62
10.1016/j.ijcard.2014.10.057
巻: 180 ページ: 88-90
10.1016/j.ijcard.2014.11.205