研究課題/領域番号 |
15K09908
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
須田 憲治 久留米大学, 医学部, 准教授 (10399173)
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研究分担者 |
田原 宣広 久留米大学, 医学部, 准教授 (10320186)
工藤 嘉公 久留米大学, 医学部, 助教 (10368920)
吉本 裕良 久留米大学, 医学部, 助教 (10624463)
岸本 慎太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (60648632)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 川崎病 / 冠動脈瘤 / 分子イメージング / 大動脈 |
研究実績の概要 |
この1年間に新たに冠状動脈瘤を有す川崎病遠隔期患者3例で、CTによる形態評価をガイドに、PETを用いて、冠状動脈瘤、大動脈壁、各体動脈局所のFDGの取り込みの有無と、その取り込みの程度を定量化した。川崎病後に冠状動脈瘤あるいは体動脈瘤の残存する患者のべ26例でPET/CT検査を行った。一方、川崎病後冠状動脈瘤を形成したが、その後冠状動脈瘤の退縮した患者は合計8例でPET/CT検査を行った。 この2群間で、上行大動脈、大動脈弓部、下行大動脈、腹部大動脈、総頸動脈、総腸骨動脈の各動脈壁局所でのFDGの取り込み、患者の身長、体重、脂質プロファイルや耐糖能に関する血液検査所見、あるいは血管内皮機能、血液伝搬速度など血管のプロパティーに関する各種指標を比較した。また、有意差を認めた血管壁のFDGの取り込みに相関する患者属性、血液検査あるいは血管機能について検討した。 解析途中であるが、現時点で上行、弓部の各胸部大動脈で、川崎病後動脈瘤の残存している患者では、瘤の退縮した患者に比してFDGの取り込みが亢進していたが、総頸動脈、総腸骨動脈、腹部大動脈では有意差が無いことが発見された。 また、川崎病後動脈瘤の残存している例では、肥満患者が多くBMIが高く、瘤の退縮した例に比して体血圧が上昇していることが認められたが。 FDGの取り込みに相関する血液検査は今のところ見つかっていないが、患者属性としては、この上行大動脈壁でのFDGの取り込みは、急性期の冠動脈瘤の大きさが大きいほど高く、その一方で、急性期からの研究までの経過時間が長いほど低下してた。また、経過中冠動脈イベントを認めた患者のFDGのとりこみはイベントを認めなかった患者に比べて大動脈壁でのFDGの取り込みが亢進していた。また、冠状動脈壁の評価のためMRIセッティングの調整を再度行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
冠動脈・体動脈瘤の残存する例のPET/CT撮影は順調に行い症例数も増えたが、その対照としての瘤の退縮した例の研究参加者が増えていない。 また、研究施設で有すMRI3機がすべて3テスラになったため、冠動脈壁の撮影にはやや不利となり、撮影条件の設定に苦慮している。
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今後の研究の推進方策 |
さらに外来フォロー中の川崎病既往患者で竜の退縮した例に研究参加をお願いし、対照症例数を増やす。 研究会や学会にて情報収集を継続するとともに、冠動脈壁評価に3テスラのMRIを用いている他施設にMRIの設定状況に確認し、当施設でのMRI撮影条件を調整し、冠動脈MRIを撮影してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象患者の組み入れが遅れたためと、MRIの撮影条件の調整が遅れたため、予定の検査が行えておらず、次年度使用額が発生しました。
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次年度使用額の使用計画 |
対象患者の組み入れを進めるとともに、MRIの順次撮影を行います。 また、研究成果を解析し、学会発表を行うとともに、論文公表を行う予定です。
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