研究課題/領域番号 |
15K09917
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤永 康成 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (70334901)
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研究分担者 |
黒住 昌弘 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (30377642)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / ダイナミックMRI / radial VIBE / 経皮的肝動脈造影下cine CT / コロナ濃染 / transient severe motion |
研究実績の概要 |
本年度はradial VIBE法を用いた動脈優位相画像と経皮的肝動脈造影下cine CT(CTHA)との画像所見の比較を行った。肝癌切除例のうち、radial VIBE法を用いた肝ダイナミックMRI(DCE-MRI)と経皮的肝動脈造影下cine CTの両者が施行された14例を選択し、遡及的に画像所見を比較検討した。コロナ濃染はCTHAにて全例で描出され、DCE-MRIでは11例(78%)で描出された。腫瘍周囲に見られる低吸収/低信号帯はCTHAとDCE-MRIでそれぞれ12例と10例で認められ、CTHAで描出されたもののうち83%がDCE-MRIでも描出された。これらの結果から、radial VIBE法を用いたDCE-MRIはCTHAに匹敵する画像診断能を有すると考えられた。 本研究に平行し、病理学的検討の準備(病理組織ブロック収集および要因の候補に関する検討)を行った。また、病理学的検討を始める前に、腫瘍周囲低信号帯の臨床的意義を確認する意味で、所見と予後もしくは再発率の検討行うこととした。 これらとは別に、DCE-MRIの際の息止め不良がradial VIBE法を用いたDCE-MRIや従来のCartesian VIBEの画像にどのような影響を与えるかをボランティアで追加検討した。 その結果、radial VIBE法を用いたDCE-MRIはfull-frameで体動の影響を受けにくく、呼吸停止不良であった部分以外のsub-frame画像で画質が保たれることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度計画した検討は終了し、論文化しているところである。次年度の準備をしつつ、次年度の検討を臨床的意義により有意義なものにするために、画像所見と予後の関係に関する検討を追加することとした。
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今後の研究の推進方策 |
追加で行う画像所見と予後の関係に関する検討の結果によっては、病理学的検討を行う画像所見や病理所見の要因に関して再検討を行う可能性がある。また、病理所見の検討に関しては、病理医による判定を行うか、ソフトウエアによる解析を行うか予備検討が必要と考えられる。
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