研究課題
本年度は、APT-CESTで乳癌周囲での高信号がみられることについて、拡散強調画像と合わせての検討を行った。昨年度までの実績で、比較的脂肪の少ない若年者主体の乳房での検討を進めるほうがアーチファクトの影響が少ないこと、および非造影MRIの需要が高い群をターゲットとしての検討も望まれるという観点から、病変を認めない健常者の授乳期乳腺での拡散強調画像撮影と並行してAPT-CEST画像の撮影も併せて行い、解析を続行中である。アーチファクトの影響がない状態もしくはアーチファクトの影響をうけた症例を除外した条件下では、病変周囲の高信号がみられる症例の頻度は初期データの25%よりも低く、予備データの解析では10%前後になると思われる。これまでに解析を行った簡易撮像プロトコール初期評価34症例の検討では、撮像スライスのずれもしくは病変が小さすぎてAPT-CESTでの評価困難とされた例が12例程度存在し解析からの除外をやむなくされたが、その後の撮像では改善を見ている点と、最終的な解析では計測・評価法の工夫を重ねており、平成30年度以降の学会発表の予定である。なお、APT-CESTと併せて評価を進めている非造影MRI、具体的にはT2強調画像、T1強調画像、拡散強調画像については、一次解析が終了し、学会発表および論文化がすすめられている(一部はH29年度に発表済み)。同一患者を対象としたAPT-CEST画像の解析およびそれらを合わせたアルゴリズムの検討なども引き続いて発表の予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Magnetic Resonance Imaging
巻: 50 ページ: 38,44
10.1016/j.mri.2018.03.012
Magn Reson Med Sci
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.2463/mrms.mp.2017-0024
Radiology