研究課題
当該年度には、KWICを用いた超高速撮像法を約150例撮像し、結果を解析した。良悪性の診断能をMaximum Slopeと従来法であるWashout Indexと比較したところ、有意にMaximum Slopeのほうが良好であり、Mannらの先行研究とほぼ同様の結果であった。我々は更に形態と造影剤の動態の両方を考慮したBI-RADS Categoryとも比較したところMaximum SlopeよりもBI-RADS Categoryの診断能が優れていた。その結果については、国際磁気共鳴学会(ISMRM)にAbstractが採用され28年5月発表の予定である。また現在、論文投稿を計画中である。Ohashi et al. Diagnostic Performance of Maximum Slope as a Novel Kinetic Parameters in High Resolution Ultrafast Dynamic Contrast Enhanced Breast MRI using KWIC. ISMRM ShingaporeKWICを使った撮像では一定の成果が出たものの造影前から腫瘍が造影されているように見える点など、撮像法特有の問題があった。それらを解決すべくCompressed Sensingを使った新たな撮像法(Improved VIBE)を導入した。当該年度に26症例撮像を行い、RSNA(北米放射線学会)にAbstractを投稿した。乳房内の動静脈描出においてKWICより優れており、高い空間分解能と時間分解能が得られたため、今後はImproved VIBEでの撮像を進めていく予定である。
2: おおむね順調に進展している
第一にはKWICを使った撮像法で一定の成果を出すことができ、論文投稿の準備ができていること。第二には、Improved VIBEという新しい撮像法を導入でき、KWICの問題点について一部解決できたこと。今後Improved VIBEの撮像を改良していくことにより高い診断能が得られるものと考えている。
今後はImproved VIBEを中心に撮像を進めていく。現在撮像パラメーターがメーカー推奨のものに固定しているが、さらに空間分解能を上げることができるか検討する。造影剤についても高濃度で造影効果が強いとされているガドビストを導入する予定。初期検討として動静脈が分離して描出されるかををendpointとしてRSNAにsubmitしたが、今後はmaximum slopeを用いて診断能が向上するかなども検討する
研究分担者が別の研究費で物品購入、学会出張を行うことができたため。研究支援者が産休に入り、学会参加、論文投稿の計画を変更したため。
成果を発表するため積極的に海外の学会に参加する。論文投稿時の英文校正、画像解析のための物品を購入する。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
PLOS ONE
巻: 10 ページ: e0139113
doi: 10.1371/journal.pone.0139113.