研究課題/領域番号 |
15K09923
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大野 良治 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30324924)
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研究分担者 |
西村 善博 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (20291453)
神山 久信 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30546487)
吉川 武 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40332788)
杉村 和朗 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00136384)
眞庭 謙昌 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50362778)
松本 純明 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60397833) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 放射線医学 / 生体情報 |
研究実績の概要 |
1. 肺形態診断用UTE-MRI開発における基礎的検討: 神戸大学医学部附属病院放射線部の3T MR装置を用いて各種肺疾患患者(n=40)に対して超短エコー時間を複数設定した肺形態診断用UTE-MRIを撮像するとともに,CT検査を行った。そして,各種画像所見の描出能を統計学的に比較検討し,撮像法の最適化を図る。併せて,外科的生検として得られた検体に対して,病理所見を確認の上,CTや病理所見を最も正確に表現できる再構成法や肺形態診断用UTE-MRI専用の画像フィルターなどの開発を行った。 2.肺機能診断用UTE-MRI開発における基礎的検討: 上記の肺形態診断用UTE-MRIを撮像した患者のうちで同意を得られた患者において,併せて複数のフリップ角や超短エコー時間にて肺機能診断用UTE-MRIとしてガドリニウム造影剤を使用した肺血流UTE-MRI(n=40)を撮像するとともに,V/Q scanや肺機能検査を併せて施行した。そして,得られた肺機能診断用UTE-MRIにおける肺血流評価するための画像解析装置及びソフトの開発を行うとともに,局所肺血流及び換気能に関して統計学的に評価し,至適撮像法を決定とソフト改良を行っている。 3.肺形態診断用及び機能診断用UTE-MRI情報の融合に向けた基礎的検討: 上記において得られた形態及び機能画像を融合するための画像ソフトの開発に着手し,その初期融合画像における融合不良の原因について調査を行い,ソフトの改良に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で,目標症例数の画像を取得し,画質評価を開始するとともに,機能診断及び融合画像作成のためのソフト開発に着手した。また,その初期評価をRadiological Society of North America 2015, European Congress of Radiology 2016, Japan Radiological Congress 2016にて開催された日本医学放射線学会学術総会で発表予定であるとともに,International Society of Magnetic Resonance in Medicine 2016にて発表予定である。しかしながら,撮像法の限界と3T MR装置による緩和時間の変化により,換気画像法の開発に若干の遅れがあり,次年度での研究推進がなお一層必要であろうと考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
1.肺形態診断用および機能診断用UTE-MRIの臨床的検討: 神戸大学医学部附属病院放射線部の3T MR装置を用いて前年度開発した肺形態診断用UTE-MRIを各種肺疾患患者(n=60)に対して撮像するとともに,CT,V/Q scan,血清学検査や肺機能検査を行う。そして,各種画像所見の描出能を統計学的に比較検討し,再構成法や肺形態診断用UTE-MRI専用の画像フィルターなどの改良及び最適化を行う。 あわせて,肺形態診断用UTE-MRIを撮像した患者(n=60)に対して肺機能診断用UTE-MRIとしてガドリニウム造影剤を使用した肺血流UTE-MRI及び100%酸素を使用した肺換気UTE-MRIを同時に撮像するとともに,前年度開発した肺機能診断用UTE-MRI用画像解析装置及びソフトで解析を行い,肺局所の形態及び機能診断能を各種肺疾患における評価の妥当性に関する視覚的評価や各種疾患の重症度との相関に関して評価し,画像解析装置及びソフトの改良や融合機能の改善を行う。 2.肺形態診断・機能診断用UTE-MRIの肺疾患評価能に関する検討: あわせて,肺形態診断及び機能診断UTE-MRIを撮像した肺疾患患者の肺診断及び機能UTE-MRI融合画像における視覚的局所肺形態及び機能評価をCTおよびV/Q scanと統計学的一致率を比較検討するとともに,各疾患における重症度評価の一致率を各専門分野間で評価し,その臨床的有用性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において換気画像を作成するためのソフトや設備を準備予定であったが,撮像法の決定が遅れているため,現時点で未使用となっている。
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次年度使用額の使用計画 |
現在,換気画像法の撮像法の開発を行っており,その撮像法の決定後に患者データを取得し,研究を推進するとともに,平成28年度助成金とあわせて使用する予定である。
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