研究課題
この研究の目的は、三次元細胞培養を行いながら臨床用画像診断装置で撮像できるように我々が開発したバイオファントムと細胞の状態を任意に変化させる分子生物技術を併用し、目的達成型、演繹的な新しい研究手法を用いて、悪性腫瘍治療の新しい早期感受性予測法を開発することを全体構想とする。具体的な目的としては、分子標的薬剤や高精度放射線治療など新規腫瘍治療による腫瘍内アポトーシス発現の定量的評価のための新しい分子画像診断手法を開発することである。MRI拡散強調画像をベースとした3T MR装置用のアポトーシス定量撮像法で、高磁場装置での取得信号量の増加により高精度の解析が可能し、アーチファクトや画像のゆがみを解消するRESOLVE法(High Resolution Diffusion-Weighted Imaging Using Readout-Segmented Echo-Planar Imaging, Parallel Imaging and a Two-Dimensional Navigator-Based Reacquisition)も併用し、さらに、培養細胞を含むバイオファントムをを使用して、アーチファクトや画像のゆがみを改善できることの論文報告をもとに、2017年度に新規導入した3T装置の利用で可能となったDiffusion Kurtosis Imagingおよび拡散時間を調整したRESOLVE法にて、臨床時での短時間撮像が可能となるように、シークエンスを改良し、両者による培養細胞を含むバイオファントム撮像により、新規開発した拡散時間を調整したRESOLVE法は、Diffusion Kurtosis Imagingと同様に、細胞内の制限拡散を描出可能なことを明らかにした。この研究成果の論文は現在査読過程である。さらに、この方法の臨床試験のための専用の画像解析ソフトウェアの開発を開始している。今回開発したRESOLVE法を利用した新規画像解析手法は、アポトーシス小体のような微小な制限拡散を1マイクロメートル程度の高解像度で解析可能とする。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
Acta Med. Okayama
巻: 72 ページ: 53-59
10.18926/AMO/55663