研究課題
動物用11.7TMRIを用いた実験では、Wisterラット9例を用い、3週目(21日目)まで生存した群を生存群、それ以外を早期死亡群とし、処置前、一側閉塞後、BCCAO後の皮質における灌流および拡散能について比較することとした。結果として、A)の式を用いた場合に、生存群では、CBVと相関するfivim(IVIM-CBV)がBCCAO後、有意に上昇し、早期死亡群では、IVIM-CBVとADC(拡散能≒虚血の程度)が、処置前に比べ有意に低下していた。以上から、ア)生存群では、急激な低灌流に対しても血管拡張(autoregulation)が働き、重度の虚血が回避されていた、イ)早期死亡群では、血管拡張で代償しきれないほど低灌流となり、皮質が重度の虚血状態に陥ったことが示唆された。これは、ラット生来の側副血行路の違いが原因ではないかと推測された。動物実験の結果については、英論文誌へ投稿準備中である。ヒト7TMRIでは、これまでに健常者13例、もやもや病32例、一側内頸動脈狭窄・閉塞症42例の撮像を実施した。もやもや病に関しては、全例にてPETおよびSPECT撮像を、一側内頸動脈狭窄・閉塞症では全例にてSPECT撮像をそれぞれ実施し、脳循環代謝評価を行った。同計測に関連してIVIM-DWIに加えて定量的磁化率マップに関する研究も実施、論文発表を行った(研究開発期間の論文、学会発表5)。成人もやもや病のうち、貧困灌流を呈している症例に対して過換気負荷を実施したところ、血管拡張能が低下した症例では、血行再建術後に過灌流が起こることが明らかなり、血管拡張に関連するIVIM-CBVも過灌流を予知できる可能性について検討する必要があることがわかった。ヒトでの撮像実験のデータについては現在解析中である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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