研究課題/領域番号 |
15K09941
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
伊東 克能 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (00274168)
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研究分担者 |
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40278932)
山本 亮 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30319959)
鳥越 晃之 川崎医科大学, 医学部, 助教 (20551162) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | cine dynamic MRCP / IR pulse / 胆汁 / 膵液 / 膵管胆管合流異常 |
研究実績の概要 |
本研究は選択的IRパルス併用シネダイナミックMRCPを、膵液・胆汁の機能動態イメージング法として応用し、膵液・胆汁の流れを可視化することで、膵胆道機能・動態を多角的に画像評価・解析することを目的としている。本法は静止画像であるMRCPに20mm幅の選択的IRパルスを加えることで、膵液・胆汁の生理的な流れを非侵襲的に可視化し、さらにシネダイナミックモードで連続撮像を行うことにより、機能動態イメージング法として応用し、経時的な流れを観察することで、膵液・胆汁の循環・排出動態を画像的に解析・評価できる。この手法は、造影剤や負荷薬剤の投与がなく、被曝の影響もないことから、安全かつ非侵襲的で、生理的状態を反映できる。 最終年である本年は、膵液・胆汁排出動態の相関(相互作用)について検討を行った。IRパルス併用シネダイナミックMRCPでは同じタイミングで膵液・胆汁の流れを同時に描出・評価でき、流れる方向も特定できることから、膵液・胆汁相互逆流の頻度や原因について検討できる。膵液が順行性の流れを示すタイミングで胆汁には流れがない場合や胆汁も順行性の流れを示す場合が多かった。一方で、膵液が順行性の流れを示すタイミングで胆汁が逆行性の流れを示す場合もみられた。このことから膵管胆管合流異常症における膵液の胆管内逆流を非侵襲的に描出・診断できることに加え、形態異常を伴わない潜在的な膵管胆管合流異常症の診断や、胆管内への生理的な膵液逆流の可能性も存在することが示唆された。
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