研究課題/領域番号 |
15K09942
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研究機関 | 秋田県立脳血管研究センター(研究部門) |
研究代表者 |
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), その他部局等, 研究員 (40360359)
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研究分担者 |
中村 和浩 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), その他部局等, 研究員 (10312638)
梅津 篤司 東北大学, 大学病院, 助教 (40370259)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ASL / CBF / PET / 脳循環 / 到達時間 |
研究実績の概要 |
本研究は,PETとの比較を通して,非造影MRIの一手法である動脈血スピンラベル法(Arterial Spin Labeling; ASL)の脳循環評価手法としての可能性・臨床的有用性を明らかにすることを目的とするものである。前回報告から現時点までの進捗状況は以下の通りである。
1・健常ボランティア測定:前年度から引き続き測定を行い,最終的に15例のデータを収集し解析を行った。CBF定量測定における体動補正処理およびバックグラウンド抑制シーケンスの効果を検証した。検討した体動補正処理法はオフライン処理により全フレームの位置誤差を修正するものだが,これによる画質向上を確認し,左右半球CBFの非対称性に有意な影響が生じる例があることを明らかにした。バックグラウンド抑制は画質向上には必須であるが,CBF絶対値に着目する場合には注意が必要であることを示した。以上をまとめて,学会発表を行った。
2.臨床測定(PETとの比較):当施設倫理委員会の承認を取得し,臨床測定プロジェクトを開始した。測定シーケンスは,上記健常ボランティア測定の検討結果を踏まえ,負担なく通常臨床検査にASL測定を追加できるよう10分以内になるよう調整した。検査対象は同時期にPET脳循環検査を行っている片側性の主幹脳動脈狭窄・閉塞症例で,現時点までに12症例のデータが得られている。本年度は,PETおよびASLの測定結果を統合的に解析,比較するシステムを構築し,これまでに取得したデータに対する予備解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常人ボランティアでの検討はほぼ終了した。臨床測定プロジェクトも当施設倫理委員会による承認が得られ,測定プロトコルを確定し開始することができた。取得データの処理環境も整い,解析可能な状況になった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き申請時のスケジュールで進める。研究1はデータ取得はすでに終了し解析もほぼ終わっているが,最終的な解析結果をまとめ成果報告を行う。研究2はデータ取得中であるが,年度内には目標症例(20例)の取得が可能な見込みである。解析を行い,成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度において実施MRI装置への撮像シーケンス導入の遅れによる研究計画の遅延が生じ,当該年度への繰り越しが生じていた。当該年度は,比較的順調であり前年度までの遅れをほぼ取り返したが,解析用ソフトウェアの購入等一部を次年度に購入する計画に変更した。また,年度をまたぐ国際学会に参加し,その費用は次年度に支払うこととしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会参加旅費,解析用ソフトウェアの購入等に使用する。
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