研究課題/領域番号 |
15K09943
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
富安 もよこ 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主幹研究員(任非) (10443079)
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研究分担者 |
相田 典子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (20586292)
柴崎 淳 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (30540471)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | MRスペクトロスコピー / 新生児 / 脳容積 / 代謝物濃度 / DTI/DKI / 診断 |
研究実績の概要 |
本研究の概要は、新生児を対象とした複合脳画像(DTI/DKI、T1W for VBM、1H-MRS、MEGA-PRESS)の定量解析を行い、複合的な脳画像情報(脳容積、DKI推定値、脳内代謝物質濃度)を得る。さらに経過観察を行い、対象児全てに対して修正年齢1歳6ヶ月で発達検査を行う。複合的脳画像情報を、新生児期の病態、および予後の情報と合わせて検討することにより、発達の予後予測の早期指標となり得るかを調べる。 データ解析については、当初の予定通り、複合脳画像データの解析は全て終えることができた。発達検査についても、修正年齢1歳6ヶ月の検査を終え、さらに3歳時での検査結果も研究に加えることができた。 結果としては、新生児期の日齢(受胎後日齢)と複数の画像情報[脳容積(頭蓋内脳容積、深部灰白質など)・DKI推定値(前頭葉白質のFA値、頭頂葉白質のMD値など)・代謝物濃度(N-アセチルアスパラギン酸、コリンなど)]に有意な相関が見られ、新生児期の成長に伴う脳の発達が反映されていることが示唆された。1歳半および3歳時での発達検査値(DQ>85, DQ=85&DQ<85)で分けた2群間の画像情報値には有意差がみられず、本研究で用いた新生児期の脳画像情報で1歳半および3歳時の発達の予後予測を行うことが難しいことが示唆された。 一方、本研究により得られた脳画像情報値(濃度、容積、DTI/DKI解析値)は非常に多く、新生児期の発達を評価する上で、非常に有用な指標となり得ると考えられる。これらの値を論文として発表するために準備を行っている。
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