研究課題/領域番号 |
15K09952
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中塚 豊真 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70303740)
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研究分担者 |
松峯 昭彦 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (00335118)
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
広川 佳史 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30322738)
山中 隆嗣 三重大学, 医学系研究科, 助教 (80642074)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / 凍結治療 / musculoskeletal tumor / cryoablation |
研究実績の概要 |
本年度中に、骨軟部腫瘍に対するCTガイド下凍結療法の前向き臨床試験への症例組み入れを無事に終了した。 まず、臨床試験前の基礎的研究として、骨軟部腫瘍15病変でのice ballの視認性を検討し、軟部腫瘍では全病変で明瞭なice ballを認めたが、骨腫瘍では明瞭なものから全く不明なものまで分散しており、その理由としては前者ではCT値が0H.U.前後まで低下したのに比して、後者では最低130H.U.までしか低下しなかった為と考えられた。また、ice ballの容積に対して、実際の腫瘍壊死容積率は平均74%であった。 前向き臨床試験の治療対象は従来の局所治療や化学療法が適応とならないか、もしくは奏功しなかった最大腫瘍径5cm以下の骨軟部腫瘍とし、有痛性腫瘍であるか否かは問わず、1ヶ月以上の生存が望める例を適格とした。 最終症例登録数は20例(男性15例、女性5例、平均年齢64.8才;52-85才)であり、平均最大腫瘍径は2.9cm(1.0-4.7cm)であった。主要評価項目は安全性で、重篤な合併症は2例(10%)にGrade-3末梢神経障害が出現した。 副次評価項目は症状緩和率、抗腫瘍効果、生存率などであり、有痛性3症例においては全例で除痛効果が得られて無痛となり(100%)、局所腫瘍壊死率は19例(95%)でCRもしくはPRが得られ、5年生存率は27.4%であった。 骨軟部腫瘍に対するCTガイド下凍結療法は、比較的安全で、良好な局所腫瘍壊死や除痛効果が得られ、予後延長の可能性も期待されると思われた。
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