研究課題/領域番号 |
15K09954
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
礒橋 佳也子 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50598604)
|
研究分担者 |
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 悪性腫瘍 / PET-CT / MRI / 治療効果 / 代謝 |
研究実績の概要 |
今年度は、大阪大学大学院医学系研究科附属未来イメージングセンターに設置のPET-CT装置ならびにMRI装置の調整を行い、撮像整備を整えた。また、これら装置の撮像方法のプロトコール作成や操作法などの技術習得に努めた。並行して、大阪大学大学院医学系研究科附属未来イメージングセンターのサイクロトロン、標識合成装置の整備や調整を行い、FDG, Methionine, FBPA, のそれぞれの代謝トレーサの合成試験を行い、安定した収率を得られる設備環境の整備や技術習得をおこなった。 また、並行して骨髄腫の腫瘍細胞の培養を行い、安定した細胞培養ができる技術を習得した。今後は、この骨髄腫の腫瘍細胞を移植し、安定した移植腫瘍モデル作成ができるように努める。安定した移植腫瘍モデル作成ができれば、PET-CT評価や病理組織評価に取りかかっていく予定である。 臨床部門では、大阪大学医学部附属病院に設置されているPET-CT装置ならびに同病院のサイクロトロンで合成されたFBPAを用いて得られた健常成人5人のFBPA-PET画像の解析を行い、学会発表を行った。これらの結果を論文にまとめて、発表した。また、平行して、悪性腫瘍患者のFBPA-PETの症例を蓄積した。これら症例の画像解析を行い、中途データを学会発表した。引き続き悪性腫瘍患者の症例を蓄積し、腫瘍の組織型や撮像タイミングなどについて検討していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
骨髄腫細胞培養は安定してきたが、腫瘍モデル作成にばらつきがあり、安定した動物モデル作成に難渋している。安定した動物モデルが作成できれば、PETーCT評価にとりかかれるが、当初の計画より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、細胞レベルでのメルファランの治療効果評価、腫瘍動物モデルのPET-CTを用いたメルファランの治療効果評価を行っていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
多発性骨髄腫の安定した腫瘍細胞の培養に難渋していたが、いろいろ工夫を重ねた結果、安定した腫瘍細胞培養ができる技術を習得し、細胞移植に必要な腫瘍細胞数が得られるようになった。しかしながら、この骨髄腫の腫瘍細胞をヌードマウスに皮下移植し、安定した移植腫瘍モデルを作成できるように努めているが、腫瘍モデルの作成にばらつきが大きく、安定した移植腫瘍モデル作成に難渋している。このため、当初予定していた腫瘍移植動物モデルを用いたFDG・MET・FBPAなどの各代謝トレーサのPET-CTを用いたイメージングの評価が施行できていない。各々の代謝トレーサの合成方法や収率、PET-CT装置の撮像プロトコールや撮像技術の習得はできている。腫瘍モデルが安定して作成できれば、PET-CTを用いて画像評価を行い、摘出した病理組織標本と比較、解析を行い、メルファランの治療効果判定並びに治療効果予測を行っていく予定である。
|
次年度使用額の使用計画 |
①多発性骨髄腫の腫瘍細胞を培養し、十分量の細胞をヌードマウスの皮下に移植し、腫瘍移植モデルを作成する。②腫瘍最大径が10mmになった時点で、多発性骨髄腫の腫瘍細胞皮下移植モデルを用いて、メルファランの投薬前と治療過程において、アミノ酸代謝イメージング製剤の11C-MET、18F-FBPA、18F-FAMTを用いたMRI並びにPET-CT撮像を経時的に各々行う。③撮像時に合わせて、1匹は腫瘍を摘出し、病理組織評価を行う。④残りは経過観察を行い、予後の評価を行う。⑤上記で得られたMRI並びにPET-CTの全画像を時系列的並びにモダリティ間で比較検討する。各段階における動物モデルの腫瘍組織を、HE 染色、ギムザ染色、PAS染色、Tunel染色、Ki67染色、LAT1染色を用いて染色し、in vivoイメージとの対比を行う。⑥上記の結果をふまえて、メルファランの治療効果判定並びに治療効果予測が期待できるアミノ酸代謝イメージング製剤を調べる。
|