研究実績の概要 |
今年度は、得られた多発性骨髄腫と悪性リンパ腫の小動物腫瘍モデルのMethionine(MET), FDG, FBPA の各々のPET-CT画像解析をおこなった。多発性骨髄腫モデルにおいてはMET, FDG, FBPAのいずれも取り込みが見られ、これらの取り込みに顕著な差は見られなかった。悪性リンパ腫モデルにおいてもMET, FDG, FBPAいずれも取り込みが見られたが、METの取り込みが相対的に弱く、FDGとFBPAの両者の取り込みには顕著な差は見られなかった。一方で、多発性骨髄腫の第一選択薬であるメルファランは、LAT1を介して腫瘍細胞に取り込まれ作用を発揮するので、LAT1の発現の程度がメルファラン投与前にわかれば治療効果を予測することが可能と考え、本年度は移植した腫瘍細胞のLAT1発現についてフローサイトメトリの手法を用いて調べた。多発性骨髄腫細胞ではLAT1発現が確認されたが、悪性リンパ腫細胞においても強くはないけれどもLAT1発現が確認された。さらに、小動物腫瘍モデルのPET-CT画像解析結果でFBPAを用いた評価が期待できたため、健常人データで各臓器の生理的集積が低いFBPAを用いたPET-CT評価の臨床応用が期待できると考え、大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会にFBPAを用いた臨床研究について書類申請を行い、血液腫瘍患者においてFBPA PET-CT臨床研究ができるように準備をすすめた。
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