研究課題/領域番号 |
15K09962
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬場 眞吾 九州大学, 大学病院, 講師 (80380450)
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研究分担者 |
磯田 拓郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90452747) [辞退]
渡邊 祐司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90158668)
丸岡 保博 九州大学, 大学病院, 助教 (00637928)
北村 宜之 九州大学, 大学病院, その他 (70644722)
山田 明史 九州大学, 大学病院, 研究員 (00565129)
本田 浩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 低酸素 / PET / MRI / 放射線治療 |
研究実績の概要 |
本研究は悪性腫瘍の放射線治療抵抗性に関与する画像パラメータ―を実際の治療成績と比較することにより明らかにし、治療に対する反応性、予後予測の指標となりうるかを評価する。特に低酸素トレーサーである18F -FAZAの集積の有無、集積程度と局所再発の関連を明らかにする。放射線治療には重粒子線治療も含め、局所再発の有無と治療前の低酸素トレーサーの集積の有無を評価する。また治療開始後早期のMRIでの拡散強調画像(ADC値)の変化が予後と関連するかどうかを明らかにする。PETとMRI双方の情報は近年開発された一体型のPET/MRI装置を用いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は以下の検討を行った。 1)PET/MRに適したMRシーケンスの選別と開発。健常ボランティアを用いてMRシーケンスを検証し、部位ごとに最適な撮像パラメータの決定と標準撮像プロトコールの確立を行うと共に新たな研究用MRIシークエンスの開発を行った。 2)癌の存在診断、病期診断をPET/CTとPET/MRで比較検討。放射線治療予定の悪性腫瘍患者に対しFDG-PET/CTを撮像後、同日にPET/MRを連続して撮像し、悪性腫瘍の存在診断ならびに病期診断における両者の有用性・優位性を比較検討しPET/MRIでの腫瘍描出能がPET/CTと比較して非劣性であることを確認した。 3)18F-FAZAを臨床にて使用可能とするため、2015年11月サイクロトロン運用・薬剤審査委員会に本PET製剤を諮り、承認を得た。
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今後の研究の推進方策 |
以下の課題について順次解析を行う予定である。1)FAZA集積の再現性:放射線治療前に複数回の18F-FAZA-PETを行い、同一患者内での集積変化の有無を確認する。2)検査時期の決定:上記1)の結果と関連し、放射線治療の何日前に行うべきかを検討する。3)集積評価時間の決定:18F-FMISOでは通常投与後2-3時間で検査を行うが、本来はもっと時間を空けた撮像がより腫瘍、バックグラウンドの改善に有用であることを考えられる。本研究では投与後4-5時間後の撮像が可能かどうかの確認を行う。これはPETカメラの性能にも依存するが、撮像時間も含め検討を行う。4) 集積程度の評価法の確立:視覚的評価、SUVmax、SUVmaxと参照領域の集積の比、集積volume評価(FDGのMTV(metabolic tumor volume)やTLG(total lesion glycolysis)に相当する指標)など複数の指標にて評価をおこない比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理委員会による承認を待機している状態であり、承認後適宜使用開始する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
倫理委員会の承認および次年度の配分決定後、FAZAの材料費として使用する予定である。
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