我々はステント内腔側表面が内皮細胞層に被覆されたバイオステントの開発を行った。ステント骨格として生体吸収型ステントを使用したが、ステント骨格の網目幅が広く、粗であるために、フィブリンゲル重合化の後に金属棒を取り外す際に、フィブリン膜の破壊、欠損を生じた。最終的には金属棒の表面のテフロンコーティングを行うことで、フィブリン膜の断裂を抑制できた。次にバイオステントの動物実験に移行した。ビーグル犬内皮細胞の分離は、大腿静脈を露出、切開して行った。内皮細胞の分離培養に成功し、金属ステントのフィブリン膜内面の内皮化を達成することができた。現在ビーグル犬頸静脈にバイオステントを留置し、経過観察中である。
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