本研究の目的は、ヒトにおけるAMPA受容体の特異的イメージングを確立し、精神・神経疾患の病態解明や診断、治療薬の開発に寄与することである。4名の健常被験者において、PETスキャン及び動脈血放射能測定、代謝物測定を実施し、総合的にPETリガンドの有効性評価を行なった。 結果、 結合能は、大脳皮質全体で正の値で算出され、特異結合の存在を示唆したが、非常に低い値であった。 この新規リガンドは、ヒト脳のAMPA受容体に対して特異結合を認めるが、ダイナミックレンジが低く、放射性代謝物の脳移行も疑われるため、ヒト脳のAMPA受 容体密度の測定への有用性は限られていると考えられた。
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