研究課題
平成29年度において、以下の検討を行った1.EFBMPの構造改良及びin vitro結合性の評価:平成28年度までの検討で、FEBMPは齧歯類及び小型ザルマーモセットの神経炎症モデルにおいて、既存TSPOリガンドより高い感度でミクログリア活性化により惹起された神経炎症を検出することができた。しかし、大型サルマカクザル脳内において遅いカイネティクスを示し、ヒト生体脳のイメージングには不適切である可能性が示された。今年度において、脳内動態を改善するため、脂溶性を下げるように新規化合物4種類を設計し、その中に二種類の化合物FEBMP-D001とFEBMP-D004の化学合成に成功した。LogPはそれぞれ2.9と2.8で、FEBMPの3.9より脂溶性が下がった。また、ヒト死後脳を用いたFEBMP-D004のTSPOへの親和性を調べた結果、low-affinity binder脳における阻害常数Ki(radioligandは18F-FEBMP)は約35nM、high-affinity binder脳におけるKiは約17.1nMで、高い親和性を有し、TSPO遺伝子多型による影響も少ないことが明らかになった。また、二つの新規TSPOリガンドの標識前駆体の合成にも成功した。今後、FEBMP-D001を用いて、同様な検討を行い、FEBMP-D004と比較して、より優れる特性を有する化合物を用いて、PET標識及び特性評価を行う予定である。
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