研究課題/領域番号 |
15K09988
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
吉田 由香里 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (90431717)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 放射線 / 悪性脳腫瘍 / バイスタンダー効果 / 神経細胞 / 脳正常細胞 |
研究実績の概要 |
脳正常組織において放射線照射前後で変化する因子について解析する目的で、野生型ICRマウスを用いて、脳に放射線(X線、60 Gy)を照射した。その結果、照射後に活性化ミクログリアの割合、腫瘍壊死因子および核内因子κBが増加すること、また、血管内皮細胞増殖因子の発現量がコントロール群と比べて有意に減少していることを明らかにした(Yoshida et al., Neurochem Int., 2018;119:199-206)。これら因子の変化により、正常脳において脳波に変化が現れるか否かを調べた結果、検出できるレベルにおいて脳波の変化は認められなかった。 今年度は出産にともなう産前産後休暇および育児休暇の取得により予定通り実験を遂行することが出来なかった。本研究の最終目標は、放射線による脳腫瘍細胞間および脳正常細胞/組織と脳腫瘍細胞の間のバイスタンダー効果について調べることである。これまで、in vitroの系でこれらの現象を明らかにするための研究を進めてきた。引き続き、in vitroの系においても解析するとともに、得られたin vivoの系での正常脳組織の結果を踏まえて、in vivoの系でも解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
出産により産前産後休暇および育児休暇を取得したことから、当初予定していた研究時間を確保することが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
計画している研究内容について早急に実施する。また、育児等で研究時間が制限される場合には、大学の男女共同参画に関わる研究活動支援を活用したり、研究補助員を雇用することで、滞りなく研究が出来るような環境作りをする。
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次年度使用額が生じた理由 |
出産にともなう産前産後休暇及び育児休暇の取得により実験を予定通り遂行することが出来なかったため次年度使用額が生じた。 計画している実験を遂行するための消耗品に充当する。状況によっては研究補助員を雇用するための費用に充当する。結果が得られた場合には、放射線や神経関連学会での成果発表および論文を投稿するための経費に使用する計画である。
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