研究課題
プラスティックシンチレーターおよび光ファイバーを組み合わせた定点絶対線量計測の測定系を確立した。計測箇所に対する検出器そのものの擾乱の影響がないことを確認できた。一方で、微小空間における定点測定に焦点を当てたため、シンチレーション光と検出感度のバランス(微小空間を測定する場合は、検出器サイズが小さいことが望ましい。しかしながら、検出器サイズが小さいと、検出器の発するシンチレーション光の光量が減少する)が重要であり、その両方を満足する検出器サイズとして1辺0.5 mmの立方体が妥当であると判断した。4次元動体ファントムの開発にあたり、駆動させる対象としてサーボモーターのトルクに依存することが分かった。最大で1辺10 cmの立方体が上限であることを確認した。4次元動体ファントムを用いて、人の規則的な呼吸パターンにおけるサイバーナイフの追尾精度を検証した。また、追尾精度をWeb cameraと画像処理を組み合わせて解析可能なソフトウェアの開発を行った。呼吸パターンに基づく腫瘍の動きを調べた。動きの速度変化が激しい箇所で追尾精度が瞬間的に悪化する傾向を得た。4次元動体ファントムと微小空間の線量計測が可能なプラスティックシンチレータを用いた線量検証システムを組み合わせ、人の呼吸を模擬した動く腫瘍ならびに、不規則性を持たせた呼吸波形に基づく動く腫瘍の2種類に関して、動体追尾中の線量検証を行った。アイソセントリック照射およびコンフォーマル照射のいずれにおいても、計算線量と実測線量間の誤差は3%未満であり、物理的な線量精度が担保されることを確認した。
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