研究課題/領域番号 |
15K09997
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮脇 大輔 神戸大学, 医学研究科, 助教 (30546502)
|
研究分担者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (30346267)
江島 泰生 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (70423233)
椋本 成俊 神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員 (70634278)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 超高線量率X線照射 |
研究実績の概要 |
本研究では、超高線量率の白色X線(FLASH照射)を用いて、高精細格子状に放射線を照射すうることにより、正常組織・腫瘍組織がそれぞれどのような生物学的応答を示すかを in vitro および in vivo 実験にて解明を行うことを目的としている。今年度は、比較対照とするために、通常の線量率の放射線を照射した場合の正常肺組織における生物学的応答の確認実験を予定し、正常マウスの右肺に対して通常線量率での照射照射実験を行った。通常線量率では照射に時間を要するため、120Gyといった超高線量の照射は不可能であったが、高線量の照射では、肺障害を引き起こすことが確認された。以前の研究結果と照らし合わせ、超高線量率FLASH照射と通常線量率照射との間には肺障害の起こり方に差があることが判明した。次年度のSPring-8のマシンタイムを確保できており、FLASH照射による高精細格子状照射後の正常組織および腫瘍組織に対する効果を解析する。照射線量は24Gy、36Gy、72Gy、120Gyを用いる。正常肺への照射はマウスの腹側から右肺に、肺転移腫瘍モデルマウスについても同様に右肺にFLASH照射を行う。腫瘍組織および、周囲の正常組織におけるアポトーシス・DNA二重鎖切断および修復、バイスタンダー効果に関する因子の解析を行い、正常組織の観察においても、周囲の細胞・組織環境にどのような変化が起こっているかを形態学的、免疫組織学に検討していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitro でのFLASH照射実験が行えていないため、当初の予定より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度のSPring-8のマシンタイムは確保できており、研究計画に示している通り、in vitro および in vivo でのFLASH照射実験を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は放射光を利用した in vitro 実験を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度計画していたが実施できなかった実験に対して、次年度使用予定である。
|