研究課題/領域番号 |
15K10011
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
上紺屋 憲彦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00185985)
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研究分担者 |
土井 啓至 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50529047)
丹羽 康江 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60648294)
高田 康弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20461048)
冨士原 将之 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90388827)
廣田 省三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20181216)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 放射線障害 / 直腸粘膜障害 / 亜鉛 / 高気圧酸素 |
研究実績の概要 |
本年度の研究では実験動物を使った基礎研究を中心に、既に開発したラットによる動物実験放射線直腸炎評価モデルを用い、高気圧酸素は放射線照射時および放射線照射後障害発生時の2つの時系列でそれぞれ投与し、直腸粘膜への作用を病理組織学的変化、分子生化学的変化で抗凝固剤の粘膜障害への影響を評価する。同時に亜鉛化合物を重複投与し直腸粘膜の変化を比較検討する予定であった。基礎研究においては、これまで実験施設としても登録された大学病院放射線治療施設を使用してきた。しかし患者数の増加、放射線治療機器の老朽化によるメンテナンスにより動物実験に使用することが事実上不可能となった。そこで、大学動物実験棟の実験動物用照射装置にて代行を考えたが、動物実験棟周囲が8月から広範な施設解体・建て替え工事に入り、動物舎での酸素ライン途絶となった。 そのため本年度の実験動物による高気圧酸素を用いた実験は一切施行不能となった。 臨床検討では、既存前立腺癌放射線治療患者の直腸粘膜障害を、抗凝固剤使用の有無、照射データで解析。照射データは3次元放射線治療のDVH(dose volume histogram)、障害の程度はRTOG評価にて行なった。さらに放射線治療前のGleason score 、PSAの値によりrisk分類を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(1)基礎研究においてこれまで実験施設としても登録された大学病院放射線治療施設を使用してきた。しかし患者数の増加、放射線治療機器の老朽化によるメンテナンスにより動物実験に使用することが事実上不可能となった。放射線照射装置は大学動物実験棟の実験動物用照射装置にて代行可能であったが、同装置ではマウスの照射は可能であるがラットの照射は不可能であったため、実験系をマウスを対象としたものに変更した。そのためマウスについての放射線照射後の直腸粘膜障害の評価基準を明確化する必要があり、亜鉛製剤投与・放射線照射群での病理組織標本を全て再検討し組織評価基準を明確にした。そのため、抗凝固剤投与・放射線照射まで達成できなかった。(2)動物実験棟周囲の広範な施設解体・建て替え工事に入り、動物舎での酸素ライン途絶となった。そのため本年度の実験動物による高気圧酸素を用いた実験は一切施行不能となった。 臨床研究では既存前立腺癌放射線治療患者の直腸粘膜障害の患者背景および、放射線照射データを取得中である。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究は、マウスによる動物実験放射線直腸炎評価モデルに高気圧酸素を放射線照射時および放射線照射後障害発生時の2つの時系列でそれぞれ投与し、直腸粘膜への作用を病理組織学的変化、分子生化学的変化で抗凝固剤の粘膜障害への影響を評価する。同時に亜鉛化合物を重複投与し直腸粘膜の変化を比較検討する。 臨床検討では前立腺癌放射線治療中ないしは放射線治療後早期に急性障害として放射線直腸炎症状を認めた患者に対して亜鉛坐剤を投与しつつ、早期から高気圧酸素治療を行い、高気圧酸素治療の開始時期、高気圧酸素治療の期間により直腸粘膜の病理組織学的変化・肉眼的変化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)基礎研究においてこれまで実験施設としても登録された大学病院放射線治療施設を使用してきた。しかし患者数の増加、放射線治療機器の老朽化によるメンテナンスにより動物実験に使用することが事実上不可能となった。放射線照射装置は大学動物実験棟の実験動物用照射装置にて代行可能であったが、同装置ではマウスの照射は可能であるがラットの照射は不可能であったため、実験系をマウスを対象としたものに変更した。そのためマウスについての放射線照射後の直腸粘膜障害の評価基準を明確化する必要があり、亜鉛製剤投与・放射線照射群での病理組織標本を全て再検討し組織評価基準を明確にした。そのため、抗凝固剤投与・放射線照射まで達成できなかった。(2)動物実験棟周囲の広範な施設解体・建て替え工事により、動物舎での酸素ライン途絶となった。そのため本年度の実験動物による高気圧酸素を用いた実験は一切施行不能となった。
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次年度使用額の使用計画 |
基礎研究に大幅な遅れ・変更が生じたため、27年度末(平成28年1月)に設備備品(実験動物用高圧酸素治療システム一式)を購入した。そのため27年度予定の消耗品 実験動物整体情報センサー類(測定用物品雑費)、実験動物、その他(実験動物麻酔剤、標本作製試薬、他)は28年度に購入予定。また、28年度予定の設備備品(データ画像・三次元放射線治療計画データ解析システム一式)は29年度に購入予定。
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